(株)ヨシミ商会
存在価値を高め道を拓く

福井市灯明寺1-1301

昭和29年に創業
 当社は、福井市灯明寺に本社を構えているが、今回は福井市大和田町22-14-1、大型総合サービスセンター「ヨシミワークス」で社長と専務にお話しを伺った。

 当社は昭和29年12月に先代・卓司氏により創業され、現社長は二代目に当たり、社長の長男の耕司氏が専務として営業に、次男の雄司氏が常務として整備に携わっており後継者も順調に育っている。

 この他にスタッフも若手からベテランまで、人材に恵まれた活気に満ちた企業である。

 社長は社業で多忙でありながらも福井県商協の副理事長として、また商協の購買委員長として組織活動についても尽力されている。

 社長を除く全従業員は13人で、男女別では男性が8人、女性が5人で、職種別ではセールスが4人、整備が4人、事務が5人となっている。 農業機械整備技能士の有資格者は一級が5人、二級が2人。これと合わせてヤンマー整備士の一級が6人、二級が1人となっている。

 商圏は福井市と坂井郡の全域と鯖江市、足羽郡、丹生郡の一部の約3千戸で、顧客のほとんどが水稲作の兼業農家である。経営規模は30aから3ha、最も多いのは1haである。

 ヨシミワークスは当社の商圏の中心地、国道8号線と県道丸岡線が交差するところに位置し、交通の便が良い。周囲には広大な水田が広がり、その中を貫く国道8号線の沿道には大型ショッピングセンターがいくつも並ぶ非常に集客力のある地域である。

 敷地面積は2745平方mで広い駐車場を有し、整備工場は395平方m、展示場は713平方mである。

情報の収集と発信
 次に当社の概要に触れてみよう。

 車両関係は2tから3tのトラックが2台、軽トラックが六台、軽乗用車が2台、普通乗用車が1台、フォークリフトが2台で、合計13台を所有している。

 事務機器については部品用端末1台、パソコン5台、ワープロ2台、ファックス2台、コピー機2台を所有している。

 パソコンの活用により事務処理についてはバーコードで部品管理ができるようになり業務改善がなされた。さらに一歩進めて、自動車ディーラーのように、部品使用時のデータ入力から連動し、整備完了と同時に技術料を含めた請求書が発行できるシステムの構築を目標としている。

 さらにインターネットで情報収集をするだけでなく、自社のホームページを開設して情報を発信しており、月に約2千件のアクセス(1カ月に延べ2千人)があるという。今のところは規模は小さいが、中古農機やヤンマーグッズの販売に結びつくこともある。

 情報機器の活用は専務が中心になって進めている。ホームページを開設したころは、社長は専務の道楽と思っていたが、今ではずいぶん認識が変わったという。

 取扱銘柄はトラクター、耕うん機、ティラー、田植機、防除機、コンバイン、バインダーがヤンマーと三菱、もみすり機がヤンマーとサタケ、乾燥機がサタケと山本となっている。

 次に廃棄物処理について伺ったところ、費用はかかるが処理業者探しに困るような状況ではないとのこと。さらに当社では分別廃棄物置き場を設けて可能な限り分別をしている。

整備の充実と活用
 ヨシミワークスは創業45周年を記念して、平成10年7月に、「農業コミュニティセンター」、「大型機械認定整備工場」、「屋内中古農機展示場」の3つの機能テーマに基づいて、農業市場に密着した提案、創意工夫に挑戦する場として建設された。

 「ワークス」とは自動車のF1をはじめとするモータースポーツにおいて、最新の設備と高い技術力で迅速にレーサーとマシーンをバックアップする「ワークス参戦」に由来し、ヨシミワークスにいつピットインしてもベストを尽くし最高のサービスを提供することを約束している。

 外観の上部は深緑色、下部はレンガ色に大きく二分割され、衝突による破損防止のコーナーポールを赤くして外観のワンポイントにするなど、インテリアショップを思わせるような洗練されたデザインであり、親しみやすい雰囲気を演出している。

 実際、集客力の高い地域であることから、ショッピングセンターに来たホビー農家ものぞいていくようになり、客層の拡大にもつながった。

 また、その内部は外観同様にデザイン的にも洗練されており、機能においては最新の設備を効率良く配置し「機械搬入→洗車→受入検査→整備→完成検査→塗装→完成」の間、洗車も含めて全ての工程を屋外に出ることなく、最小限の移動ですむようになっている。

 この他に駐車場に面した正面に、小物商品を整備するための「軽整備室」を設けて顧客が作業の様子を見られるようにしてある。「手打ちそばの実演」を意識して設計されたとのこと。

 設置目的は、それまでは大型の機械と機械の間等、工場の隙間で床に置いて作業せざるをえなかった。作業者にとって危険であるうえ、顧客には片手間の作業という印象を持たれがちであったが、専用の作業場を設けて作業の様子を見せることにより、その印象を払拭することにあった。

 当社は早くから技術向上、資格取得に力を入れており、サービス対応と技術力には自信を持っていたが、サービスや技術をどのように料金に反映させるかが課題となっている。

 その対策の一つがヨシミワークスの設備の充実であった。真面目に作業に取り組んでいれば確かに顧客の信用は得られるが、それだけでなく充実した設備、作業工程を公開して顧客に対しアピールすることにより、積極的に信頼を厚いものにしていこうという考えに基づいている。

 努力の結果、顧客はもとより、取引先企業に対しても効果を実感されているとのことである。

総力結集・総力発揮
 販売については、近年は機械を長期利用する傾向になっていることもあり、見込み客にアプローチしても以前のように買い替え需要に結びつかなくなってきている。

 その対策の一つはこれまでに述べたように、サービスを向上し、それを販売に結びつけるような努力をすることである。

 もう一つは多彩なイベントの開催である。ヨシミワークスの両隣りに約1haの実演ほ場を2カ所持っており、多い年には年に10回、今年もすでに3回のイベントを実施し、取材当日も週末の展示会の準備をされているところだった。イベントの内容は、実演試乗会ばかりでなく、コンバイン技術講習会や営農の勉強会、時には「ホーム菜園フェア」といって市街地の小規模のユーザに焦点を当てることもある。

 これらの活動を通じて自社のファンを増やすように努めて、セールスのサポートをしている。

 最後に将来の展望について伺ったところ、新生ヨシミ構築のためにヨシミワークスを建設して風は起こしたので波に乗らなくてはならない。

 「会社経営の最大の財産は顧客」とおっしゃる社長は、企業の存在価値を高めること、つまり顧客の側から見た利用価値の向上が不可欠で、これまでに築き上げた有形、無形の財産、それらの総力を結集し、総力発揮で「他人(景気などの外部要因)に勝つより己に勝て」の信条で自社の改善を進め、道を拓いていきたいと力強く締めくくられた。



全農機商報:平成13年7月号掲載