光武農機商会
顧客が有って事業有り

佐賀県杵島郡白石町横手856−1

大正5年に創業
 白石町は、県南西部にあり、西は杵島山を境に、北は六角川に沿い、東は有明海に面し白石平野の中心部を占めている。
 当社は、JR肥前竜王駅から北東へ1.7キロ、国道207号線沿いにある。
 好光社長の祖父である藤三郎氏が有明町田上の本家で、肥料や稲こき千歯(千歯こき)を扱ったのが始まりであるが、大正5年、ご尊父、富市氏が、初代社長に就任し、縄ない機、足踏み脱穀機などを本格的に扱うようになった。
 現社長である好光氏は、高校を卒業後、4カ月程、金融関係の会社に勤務したが、倒産したため、店を手伝うようになった。当時は、脱穀機や発電機などを扱った。
 33年に社長に就任し、有明町戸ケ里に本店を移したが、手狭になったことから、51年、現在地に流通センターを設置、平成13年に本社機能を流通センターに移し現在に至っている。
 ご子息である和徳氏(37歳)は、高校を卒業後、東洋社で研鑽を積み、現在は専務として社業を支えている。
 テリトリーとしては、白石町、北方町、大和町、江北町、福富町、有明町、藤津郡塩田町、鹿島市となっている。
 テリトリー内の農業事情であるが、米はヒノヒカリともち米が8割である。2割が盆前に消費者に届ける七夕コシヒカリで、今年は8月4日に集荷され、60キロ2万1500円であった。このほか麦や、裏作として、玉ねぎ、れんこんなどを栽培している。
 顧客数は、250戸で、耕地面積については、大は4ha、小は0・8ha、平均すると1・5haとなっている。専業農家割合は2割である。


日立と井関をメインに
 次に、当社の概要に触れてみよう。  敷地面積は、4092平方メートルで、うち大型整備施設165平方メートル、ショールーム264平方メートル、製品倉庫660平方メートル、中古展示場88平方メートル、事務所33平方メートル、部品庫23平方メートルなどとなっている。
 社長を除く従業員は、男3人、女3人の計6人で、職種別では事務3人、セールス2人、整備1人となっている。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級2人、2級2人となっている。
 車両関係では、軽トラック3台、軽ワゴン車2台、1・5トン車1台、3・5トン車1台を有している。
 取り扱い銘柄は、トラクター、田植機、コンバインが日立と井関、ティラー、耕うん機が井関、乾燥機、もみすり機がサタケ、玉ねぎ移植機が井関(歩行)とクボタ(乗用)、玉ねぎ収穫機がクボタとなっている。
3代に渡る固定客
   次に、最近年次(15年1月〜12月)の決算についてみると、前年に比べ若干良かった。総売り上げに占める整備部門割合は13%となっている。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、処理業者に無料で引き取ってもらうが、タイヤは有料でタイヤ業者に引き取ってもらう。クローラについては、店で切断し、農家が障害物の下に敷設する。
 次に、経営理念についてお聞きすると、「顧客が有って 事業有り、販売努力で『意志有れば 道有り』、人が有って 自分が有る」と言われる。
当社では、親子三代に渡って取引をしている固定客が多い。色気を出して他店に流れることのないよう、信頼関係、人間関係、絆を深めている。
 また、応接室の壁には、地獄の特訓で有名な管理者養成学校を主催する(株)社員教育研究所の社長、財部一朗氏が作った「一、ぐずぐずと始めるな。時間厳守、行動五分前には所定の場所で、仕事の準備と心の準備を整えて待機せよ」で始まる『行動力基本動作十ケ条』が貼られている。
 次に、企業経営の特色であるが、第一には、整備作業に力を入れていることがあげられる。
 1月の仕事始めの後に、整備、部品、製品の不需要期価格を掲載した往復ハガキを発送したり、不需要期に集金などで農家を訪問した際に、点検ハンマーでチェックし見積もりを作成するなど、受注に努めている。
 第2には、店がきれいなことがあげられる。
 写真でおわかりの通り、ショールーム、整備工場、製品倉庫など店の隅々まで整理整頓が行き届いている。これは、温厚誠実で几帳面な社長の性格が大きいと思われる。
 社長は、現在、佐賀県商協の副理事長を務められるなど、組織に対し大変理解がある。
農家を説得する
 次に、過去1年を振り返っての感想をお伺いすると、玉ねぎ、レンコンとも価格、収量が良かった。通りがかりに店に立ち寄り、小物を購入するお客様も多く、販売面において明るさが見えた。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、販売においては少しは低迷すると思われるが、1日20軒以上の訪問販売と整備事業に力を入れ、頑張っていく。
 これからは、米や麦作りではなく、玉ねぎや野菜作りが盛んになる。これに伴い使用する農業機械の種類も増える。
 いずれ和徳氏にバトンタッチするが、技術や社会学、営業関係で自分自身を磨かないといけない。8月19日〜21日にかけ、佐賀県商協青年部会は、島根県の三菱農機とホシザキ電機の工場見学と、島根県商協青年部会との交流を図ったところであるが、これからは、生半可な商売ではだめである。販売にしても整備にしても、農家を説得できないといけないと締めくくられた。



全農機商報:平成16年10月号掲載