有限会社前田潔商店
複合経営で相乗効果

岡山県総社市長良452−5

昭和25年に創業
 11月7日昼過ぎ、JR岡山駅で岡山県商協・太田専務理事と合流し、車で30分、前田潔商店を訪問した。当日は、月曜日ということで休日であったが、快く取材に応じていただいた。
 総社市は、岡山県の南西部に位置し、東は岡山市、南は倉敷市の二大都市に隣接している。
 当社は、JR吉備線の足守駅と服部駅の中間、国道180号線から100メートル程北に位置する。
 社名からおわかりの通り、創業者であるご尊父、潔氏は、戦後、500メートル程離れた自宅において食料品、日用品、い草を乾燥させるための石油類などを扱い始め、25年から農機を扱うようになった。当時は、発電機、脱穀機、耕うん機などを扱っていた。
 45・46年頃からガソリンスタンド(コスモ石油)を始め、50年12月に現在地に新社屋を建設した。
 毅社長(63歳)は、36年に高校卒業、2年間、クボタへ内地留学後、店を手伝うようになった。
 平成12年、潔氏が死去、毅氏が二代社長に就任した。
 現在、弟の儀一氏が燃料事業部の責任者、長男の敦氏(36歳)がスーパー事業部の責任者、次男の卓司氏(32歳)が農機事業部次長を務めている。
 テリトリーとしては、総社市全域と岡山市と倉敷市の一部で、農業事情は、米(ヒノヒカリ、アケボノ、朝日)が主体で、このほかぶどう(ネオマスカット、ピオーネ)、桃(清水白桃)などとなっている。
 顧客数は6500戸で、耕地面積については、大は4ヘクタール、小は20アール、平均すると60アールとなっている。専業割合は約8%である。
クボタをメインに
 次に、当社の概要に触れてみよう。
 本社の敷地面積は2900平方メートル、写真の向かって右側がスーパー(ショッピングプラザまえだ)、左側が農機部門である。複合経営をしている農機販売店は多いが、スーパーと同一店舗というのは大変珍しい。 
 中型整備施設157平方メートル、ショールーム160平方メートル、製品倉庫800平方メートル、中古展示場230平方メートル、事務所50平方メートル、部品庫150平方メートルなどとなっており、久代、足守、庄、総社に営業所がある。
 このほかガソリンスタンドが4カ所ある。
 社長を除く従業員は、全社で46人であるが、農機部門では、男20人、女5人の計25人で、職種別では事務5人、セールス12人、整備7人、部品1人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級4人である。
 取り扱い銘柄はクボタが6割で、このほかトラクター、田植機、コンバイン及び乾燥機がヰセキ、防除機が有光及び丸山、乾燥機ともみすり機がサタケ、ティラーが本田、その他カクイチハウスなどとなっている。
迅速丁寧・正確
 次に、最近年次(16年2月〜17年1月)の決算についてみると、農機8億5400万円(前年比102%)、燃料8億7600万円、スーパー4億円の計21億3000万円(102%)となっている。農機に占める整備売り上げ割合は3%である。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、処理業者がお金を払って引き取りにくる。現在は鉄の市況が良いので特に困っていない。
 次に、経営理念についてお聞きすると、
  一.お客様に満足を与える。
  一.会社と共に良くなろう。
をあげられた。
 これは創業当時からのもので、いわゆるCS活動である。
 社長は、「集落別にシェアをあげなさい」と社員にいう。当社では、売り上げ規模に比べ人数が少ない。少人数で効率、生産性を上げるには、点や線ではなく面で商売する。ロスを出さず、でんでん虫の如く商圏を広げることが大切である。
 次に、企業経営の特色であるが、当社は、燃料、スーパー、農機の三事業部があり、地域密着型の商売ができることがあげられる。
 従って、LPガスや食料品の販売など色々な面でお客様とのつながりができ、信頼関係が深まる。複合経営が相乗効果を上げている。
 第二には、シーズン対応は、30分以内にサービスを提供する。「迅速」「丁寧」「正確」がモットーである。
 第三には、部品の即納率をアップさせる。前年のデータに基づいて予約仕入れし、お客様を何日も待たせることはしない。
やるべきことを行う
 次に、今年1年を振り返っての感想をお伺いすると、製品価格が年々廉価タイプに移行する中で、金額ベースで維持、アップするのは大変である。従って、キャンペーン、ローラー推進、実演会などを増やし、台数アップを目指している。オイル、爪などの関連商品や健康機器、宝飾などの販促も実施している。
 社長は、厳しくスケジュール管理をしているが、社員は誰一人として文句を言わず付いてきてくれる。
 平成10年からは、米の集荷を始め、高齢の兼業農家が多い中、庭先渡し現金払いで引き取りする。取扱量は年々増加傾向にあり、お客様との絆を深めるために有効である。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、年々、米事情が厳しくなり、農家の後継者不足も相俟って、我々を取り巻く環境はより一層厳しくなる。農機関係は、地味な業界であるが、お客様との絆が深く裾野が広い。何でも売れる強みがある。
 サービス料金のアップ、無償修理をなくすなど仕入れのない売り上げを伸ばすことが必要である。
 利益率の高い商品、地域に合った商品を取り上げ、やるべきことをきっちり行えば、厳しいけれども望みがあるし、絶対にやっていける自信がある。


全農機商報:平成17年11月号掲載