岡田農機(株)
売り込みよりアフター重視

奈良県吉野郡大淀町桧垣本166-6

昭和34年に創業
 近鉄吉野線越部駅から一キロ程離れた国道169号線沿いに当社は位置する。
 当社の歴史をひもとくと、現社長のご尊父である主計氏が、昭和34年、県庁を退職後、折原において村で初めて本田の耕うん機(F150)を購入しリヤカーを牽引したところ評判を呼び、世話をしたことが始まりである。
 現社長の晃一氏は、昭和35年に大学を卒業後、サラリーマンをしていたが、38年に主計氏が町議会議員の選挙に出馬したことから店を手伝うようになった。
 46年に現在地に移転し、57年に改築して現在に至っている。63年には主計氏が死去された。
 テリトリーとしては、吉城郡の大淀町、下市町、吉野町、西吉野村、黒滝村、天川村、大塔村、十津川村、東吉野村、川上村、五條市、御所市東部、高市郡高取町で、農業事情としては、米作、花(菊、バラ)、野菜(なす、きゅうり)、果樹(梨、柿、ぶどう、梅、桃、いちご)である。また、和歌山県橋本市、伊都郡かつらぎ町では、果樹(ぶどう、柿、梅)である。
 顧客数は3300戸で、耕地面積については、大は8ヘクタール、小は10アール、平均すると30アールとなっている。果樹農家のうち専業割合は3割程である。


ヤンマーをメインに

 次に、当社の概要に触れてみよう。
 本社の敷地は3630平方メートルで、うち大型整備施設217平方メートル、ショールーム209平方メートル、製品倉庫280平方メートル、中古展示場144平方メートル、事務所41平方メートル、部品庫63平方メートル、保管庫346平方メートル、実演場160平方メートルなどとなっている。
 社長を除く従業員は8人で、男女別では男6人、女2人、職種別では事務2人、セールス1人、整備(セールスエンジニア)5人となっている。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級3人、2級2人、このほか自動車3級2人となっている。
 車両関係では、2トン車1台、1・5トン車1台、軽トラック5台、フォークリフト1台、乗用車1台を有している。
 取扱銘柄は、トラクター、バインダー、もみすり機、耕うん機、コンバインがヤンマー、ティラーがヤンマーと本田、田植機と防除機がヤンマーと共立、乾燥機が静岡、モアーがオーレック、選果機がエトバスとなっている。
 事務機器については、パソコン4台、部品専用端末1台、ワープロ1台、ファックス1台、コピー1台となっており、パソコンは売上・買掛、経理、給与、インターネットなどに使用している。
 次に、最近年次(13年12月期)の決算をみると、ほぼ前年並みであった。整備に力を入れていることもあり、農業機械の売り上げに占める整備売り上げは27・3%と高い。また、当社は農業機械のほかに長府製作所のボイラー、システムバス、ファンヒーターなどを取り扱っている。
 週40時間労働制への対応であるが、昭和42年から農家の長男を雇用してきた関係で、当時から週休2日、人によっては週休3日としてきた。平成元年からは完全週休2日制とした。店は水曜、日曜が休みであるが、農繁期はローテーションを組み、日直を置き対応している。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお聞きすると、農家から下取りした機械で再販できないものは、スクラップ業者に依頼する。廃プラスチックについては処理料が高いことから、粉砕して町の処理場に持ち込むようにしている。
儲ける商売儲かる商売

 次に、経営理念についてお伺いすると、社是については、「まごころ販売」「まごころサービス」「共存共栄」。
 マークの由来については、三つの頂点は「お客様」「社員」「メーカー(問屋)」であり、皆平等で共に栄えるところに当社が成り立つ。(頭を揃えている)
 行動基準としては、
一、人間として正しいかどうか。
一、そうすることがお客様のためになるかどうか。
一、自分がそうしてもらったら嬉しいかどうか。
 以上の三つを満たすことと言われる。
さらに、経営目的としては、「店はお客様のためにある」をよく認識し、当社は「お客様にとって安心して買える店」であり、「従業員にとっては安心して働ける店」であり、「仕入先にとっては安心して売れる店」であり、「地域社会にとってはなくてはならない店」になること、及び自主独立経営全員経営を目指し、従業員を職業人、社会人として立派な人間(プロ)に育て上げる。
 経営方針としては、我々は農にこだわり、農に生きる。我々は安全で楽しい農作業を提案し、農業機械を中心に農家の生活向上に役立つ資材、機材、情報を提供し、農家の所得向上に貢献し、地域社会に貢献する。(農家にとって省力、省時間、省思考、省エネルギー、快適生活である。)
 次に、企業経営の特色であるが、第一には売り込みよりもアフターサービスに力を入れている。
 昭和43年、近くの地蔵さんにお参りした時、商売には売り込みを図る儲ける商売とお客様から来て頂く儲かる商売の二種類があると言われた。社長は熟慮の結果、商売はリピートが大事であり、繰り返し買って頂き、喜んで頂く。お客様を大切にするという観点から、買って頂いたお客様を優先することが大切であり効率がよいことから儲かる商売を選んだ。 四年前まではセールスは置かず、現在でも実演会、展示会は行うものの、余りセールス活動には力を入れていない。
 店にある商品には全て価格が明示してあり、価格の一本化(同一条件・同一価格)も図られている。
 第二には、岡田スペシャルがあげられる。
 これは、得意の技術力を生かして地域に合わせ作った機械器具で、乗用モアー、歩行モアー、スピードスプレヤー、エアーはさみ、柿の粗皮はぎ機、柿乾燥機、剪定しば粉砕機、肥料散布機などがあり、大変農家に喜ばれている。
 第三には、利益確保のため、お客様が修繕費、減価償却費の意識を持ち、積極的に投資して頂くよう働きかけている。


前向き農家と共に歩む
 
 展示会案内のチラシには次の文言が掲載されている。
 ◎お客様との五つのお約束
一、現金割引いたします。
一、製品をお持ち帰りのお客様にサービス品をお渡しいたします。
一、品質について1年間の保証をいたします。
一、当社よりお買い上げて頂いた商品(未使用品)の返品は受けさせて頂きます。
一、修理サービスは大型整備施設で1級整備技能士がさせて頂きます。
 社長の三男、健司氏(27歳)は、大学卒業後、自動車ディーラーに勤めていたが、1年後に退職しヤンマー学院に入学、現在は社業に勤しんでおり、後継者に恵まれた企業でもある。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、2〜3年は回復の見込みはなさそうである。しかしながら、収量よりも所得重視で独自の販路を持つ農家は景気が良く、投資意欲も旺盛である。所得重視の農業経営を指導し、自立した農家を増やしていく努力が必要である。こうした前向きの農家と共に歩んで行けば将来は明るい。岡田スペシャルを中心に農家に夢を持って頂き、共に歩み、明るい未来を求めたいと締めくくられた。




全農機商報:平成14年11月号掲載