西坂農機(株) 
お客さまに喜ばれる店を

滋賀県高島郡安曇川町西万木832-6


創業71年の老舗
 安曇川町は、滋賀県北西部の高島郡の中心部にあり、湖西地方(琵琶湖の西側で最大の安曇川デルタ上に位置している。
 当社は、JR湖西線安曇川駅から300m程離れたところに位置する。
 当社の歴史をひもとくと、初代社長の良三氏は、昭和の初期、高島町の大溝港の肥料屋、十字屋商店に番頭として勤めに入り、炭、米などを売買していた。
 昭和4年に、江若鉄道が浜乙から安曇川まで開通した時に、のれん分けをして、現在地で独立し、ヤンマーディーゼルのエンジンを扱うようになったのが始まりで、今年で創業71年を迎える老舗である。
 先代社長の藤市氏は、中学を卒業すると同時に店を手伝うようになり、26年に法人化した。
 現社長の良一氏(48歳)は、昭和48年に大学を卒業されると同時に入社し、58年に藤市氏が死去されると同時に3代目社長に就任した。
 58年には、創業地が手狭になったことから、車で2・3分の所に整備センターを開設し、平成元年から建設機械の販売とレンタルを本格的に始め現在に至っている。
 テリトリーとしては、安曇川町、志賀町、高島町、新旭町、今津町、マキノ町、朽木村で、テリトリー内の農業事情は、水稲(コシヒカリ、キヌヒカリ、日本晴、花越前)が90%を占め、このほか畜産、肉牛、酪農、また、野菜はキャベツ、大根、トマト、ほうれん草などとなっている。
 顧客数は1600戸で,経営耕地面積は、大は40ha、小は20a、平均すると50aとなっている。また、安曇川町に限ると、平均で1haとなっている。  
 
ヤンマーをメインに
 次に当社の概要に触れてみよう。
 本社の敷地面積は1419平方mで、ショールームが99平方m、製品倉庫が495平方mなどとなっている。また、整備センターの敷地は3300平方mで、整備工場330平方m、製品倉庫468平方m、ショールーム60平方m、中古展示場70平方mなどとなっており、建設機械の販売とレンタルも行っている。このほか今津営業所(農機)と堅田店(建機)がある。
   社長を除く従業員は15人で、男女別では男11人、女4人、職種別では事務4人、セールス5人、整備(建機の販売とレンタルを兼ねる)6人となっている。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級2人、2級1人で、このほかヤンマー整備士1級2人、2級1人、自動車2級1人、3級1人、労働安全衛生法に基づく特定自主検査の検査業所属検査者5人となっている。
 次に、車両関係では、8t車1台、4t車1台、3t車1台,2t車(スライドローダー)1台、1・5t車1台、軽トラ8台、乗用車1台となっている。
 取扱銘柄は、主要機種についてはヤンマーが90%を占め、このほか乾燥機は静岡を扱っている。
 事務機器については、パソコン3台、ワープロ1台、ファックス4台、コピー3台となっており、パソコンはインターネット、顧客管理、経理、部品発注などに利用している。  
 
定期点検の習慣づけ
 次に、週40時間制への対応であるが、農閑期は第2土曜は休み、第4土曜は交代制を取り、農繁期は店は休まず交代制で対応している。
 次に、経営理念についてお伺いすると、社長は、「お客様に選ばれる店作り」を目指し、他社とは一風変わったやり方を取っているといわれる。
 当社では、1月に展示会、3月に実演会、7月に展示会、10月に刈り取り実演会、11月に実演会を開催している。
 社長は、試運転だけでは時間がなく、なかなか農家に機械の良さがわかってもらえない。展示会だけではだめであり、こまめに実演会を開催することが販促につながる。農家は使って初めて機械の良さが分かるのであり、このことが農家だけでなく、社員の教育にもつながる。
  また、写真でお分かりのとおり、整備センターには、ガラス張りのショールームがあり、お客様が気持ちよく来店していただく思いが込められている。

 次に、企業経営の特色であるが、第1には建設機械を扱っていることがあげられる。
 当社のテリトリー内では昭和50年代にほ場整備が進み、農業機械が大型化し、それに伴い農繁期が短くなってきた。昭和58年には整備センターを開設したが、従業員を抱える中で、農繁期と農閑期の谷間を埋めることを考えなくてはならない。
 加えて、昭和62・63年頃、国会では米は一粒たりとも自由化はしないと決議をしていたが、いずれ自由化に踏み切るのではないか。農業の先行きは暗いのではないかと考えた。
 このような折、平成元年にヤンマー西日本建機ができたことから、当社も本格的に建機を扱うようになった。前述したとおり、社内では、農機と建機の色分けをせず、両方を扱うようにしており、このことが社員のレベルアップにつながるとともに、現在では、建機関係の売り上げが全体の4分の1を占めるに至っている。

 第2には、整備事業に力を入れていることがあげられる。
 以前は、農家にダイレクトメールを打ち、定期点検を促していたが、現在では習慣づけがされている。平成8年には自動車の認証工場の資格を取り、2柱リフトを備えていることから大型機械の点検・整備にもたやすく対応できる。
 また、メーカーなどの講習会に積極的に参加し、技術の研鑽に努めている。
次に、中古農業機械のスクラップ処理についてお聞きすると、お金を払えば処理業者が引き取ってくれるとのことであった。

アフターに力を入れる
 次に、昨年を振り返っての感想をお伺いすると、農家の高齢化が進んでおり、後何年農業が出来るかわからない農家が増えている。減反、米価の下落、天候不良などによる品質低下に加え、集落営農化が進んでいることから、買い控え傾向があり、前年度比で微減であった。

 最後に、今後の予測などをお聞きすると、農家50戸当たりトラクターを1台しか買わない厳しい状況の中で、お客様から選んでいただける店作りを目指す。そのためにはこれまで以上にアフターサービスに力を入れると締めくくられた。
 

   

全農機商報:平成12年4月号掲載