株式会社桝屋本店

店頭とネット販売を両輪に


新潟県上越市三和区末野新田338

昭和5年に創業
 11月21日の早朝、東京駅から上越新幹線に乗り、越後湯沢駅でほくほく線に乗り換え、うらがわら駅で新潟県商協・谷沢事務局長と合流、車で5分程走り、国道253号線沿いの桝屋本店を訪問した。
 平成17年1月1日、上越市、三和村など14市町村が合併し、新・上越市が誕生した。
 曾祖父の石塚松三郎氏は、埼玉の酒屋に勤めていたが、明治初期、暖簾分けをし当地で酒屋を始めたことから、屋号を桝屋とした。
 祖父、寅三郎氏は、農作業の衣類を行商したり、酒、塩、雑貨などを扱っていたが、兄弟に酒の権利を譲ったことから、ご尊父、繁雄氏は、昭和5年、農機具屋を開業し初代社長に就任した。当時は、馬耕鋤、籾すり機、焼き玉エンジン、石油エンジンなどを扱っていた。
 現社長の賢氏(73歳)は、高校を卒業後、長岡の農機具屋に奉公した後、27年に店に戻り、31年、二代社長に就任した。馬耕鋤、はなまんが、製縄機、サトー式耕うん機、籾すり機、脱穀機などを扱っていた。平成4年、本田との取引が始まった。
 社長は、三和商工会会長や新潟県商協理事を務め、業務精励の功績により、平成17年、黄綬褒章を受章された。
 長男の賢一郎氏(43歳)は、大学卒業後、信州クボタ(現・長野クボタ)に内地留学した後店に戻り、専務として社業に勤しんでいる。
 テリトリーは上越市で、米(コシヒカリ)の単作地帯である。21世紀型農業経営を目指した大区画ほ場整備事業が進んでいる。
 顧客数は1200戸で、耕地面積は大は30ヘクタール、平均すると1ヘクタールである。委託農家が増えている。
本田をメインに
 本社の敷地面積は、1835・9平方メートルで、うち中型整備施設80平方メートル、ショールーム330平方メートル、製品倉庫230平方メートル、事務所50平方メートルなどとなっている。このほか安塚区大原に安塚営業所を構えている。
 社長を除く従業員は、男4人、女3人の計7人で、職種別では事務3人、セールス1人、セールス兼整備3人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級2人である。
 取り扱い銘柄は、トラクターとコンバインがクボタ、田植機がクボタ、ヤンマー、耕うん機とティラーがクボタ、本田、乾燥機が金子、大島、籾すり機が大島などとなっている。
 次に、最近年次(16年2月〜1年1月)の決算についてみると、前年比122%で、整備部門割合は5%である。
信頼関係を築く
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、地元の処理業者が有料で引き取ってくれる。廃プラスチックについてはマニフェストを切っている。
 経営理念についてお聞きすると、社長は特別なことはやっていないと言いつつ、丁寧な電話対応や整理整頓に努め、お客様との信頼関係を築く。人間素直で無ければならず、どこに何があるかがわかる店構えが大切である。
 次に、企業経営の特色であるが、第一には店頭販売があげられる。
 当地では、基盤整備が進み機械が大型化しており、農家戸数が減少している。ターゲットを一般ユーザーに広げなければならない。販売会社やJAと同じ土俵に乗りたくない。仕事が楽しくなく棲み分けが必要である。集客力を目指し店舗を建て替えた。
 17年3月に、インターネット上の設計コンペにかけたところ、14人から応募があり、コンセプトを説明して5月に設計士を決定、18年10月に完成した。
一見して農機販売店とは思えない斬新なデザインである。外壁が出来上がりカバーを取ると、国道を走るドライバーの9割が、店舗を見る。本田のネームバリューは高く、農機具屋のイメージを払拭した作りである。
 専務は、全部が見渡せるようなショールームだと、そこで終わってしまう。高さ5メートルのサイコロ状の作りで、壁にはカタログスタンドを設置し、伸縮用ハシゴで活用する。
 大型農機を飾ると、一般ユーザーは私の店ではないと感ずる。販売会社では出来ない当社だけのジャンルである。大型のガラスを利用したショールームだと、外から丸見えになり、お客様が落ち着かない。三角のしきりを活用して一度に見渡せない作りにしている。
 専務は、自分もお客様も楽しいか、楽しくないか、趣味の世界を充実させることが大切である。店内には、薪ストーブやチエンソーアートの作品がある。事務所は床暖房である。
 店内には、アレルギー体質の人にも優しい石鹸やシャンプー、髪をとかすだけでボリュームがダウンする電動ヘアブラシ、アロマオイルやアロマポットなどの癒し系商品も展示している。
 10月16日に竣工、19日には、MASUYA落成記念ライブとしてジャズコンサートを行った。
 第二には、インターネット販売があげられる。
 平成13年、コンピュータ会社のセミナーで、照明器具を扱っている会社がネット販売を行っていることを知り、ホームページを作成した。
 17年7月、ネット販売部門を独立させ、『(株)ホンダウォーク』を設立、専務が社長に就任した。現在、自社サイトとヤフーショッピングに出店している。
 トラクター、コンバインの新品は出さず、小物が中心である。
 アフターサービスについては、全国の農機販売店と提携し対応している(修理ドットJP)。
 専務は、14年、長野の田中機械と協同出資し、『農機具ネット』を立ち上げた。
厳しい中にもやりがい
 次に、今年を振り返っての感想をお伺いすると、社長は、店舗を建て替えるなど忙しい1年であった。昨年の大雪のせいで、今年は7月から除雪機の予約を取り始めたが、好調である。
 最後に、今後の予測をお聞きすると、社長は、地元紙に『ますやかわらばん(月刊)』を折り込むなど集客に努め顧客は増加している。厳しい中にもやりがいがある。
 専務は、一般販売店にとって、農業機械のキーワードだけではなく、何か特色を出さないと生き残りは難しい。一般ユーザーを取り込むことがやりやすく、またベストである。


○ホンダウォークホームページ  http://www.honda-walk.com/ 


全農機商報:平成18年12月号掲載