(株)丸山商会
お客様尊重、自分の幸福

福島県安達郡本宮町千代田84-1


昭和3年に創業
 JR東北本線の本宮駅から歩いて5分程の所に当社は位置する。
 本宮町は、福島県のほぼ中央(福島市と郡山市の中間)に位置し、西に安達太良山、東に阿武隈川を臨む豊かな自然に恵まれた町である。古くは、奥州街道の宿場町として繁栄を極め、南東北地方の交通の要衝として重要な役割を担ってきた。
 また、東北自動車道と磐越自動車道が交差するなど交通の便が良く陸の港と呼ばれ、アサヒビール、ソニー、ナショナルなどの大企業が進出している。
 当社の歴史をひもとくと、現社長の祖父である清氏が、昭和3年、本宮町中条において創業したのが始まりである。当時は、鍬、選別機、唐みなどの農具を扱っていた。
 昭和27年に御尊父である忠次氏が婿に入られ店を手伝うようになった。38年には有限会社となり、45年には店が手狭になったことから、現在地に移転した。また同じ頃、中台に整備工場を新設した。
 現社長の京男氏(49歳)は、大学を卒業後、3年間、新潟クボタで修行を積んだ後、店を手伝うようになった。昔はスズエ、ダイキン、ヤンマーなどを扱っていたが、42年頃からクボタを扱うようになった。
 54年に株式会社に組織替えし、平成9年に忠次氏が会長に、京男氏が社長に就任し現在に至っている。なお、清氏は、62年に死去された。
 テリトリーとしては、郡山市、安達郡本宮町、大玉村、白沢村、二本松市、田村郡三春町で、テリトリー内の農業事情は、米(コシヒカリ七割、ひとめぼれ三割)、野菜(きゅうり、トマト、アスパラガス)、とろろいもなどとなっている。阿武隈山系の周辺では、かつては養蚕が盛んであったが、現在では中国産に押されて衰退している。
 顧客数は1800戸で、耕地面積については、大は10ヘクタール、小は30アール、平均すると1・3ヘクタールとなっている。9割以上が兼業農家である。



クボタをメインに
 次に当社の概要に触れてみよう。
 本社の敷地は571平方メートルで、うちショールーム100平方メートル、事務所50平方メートル、部品庫100平方メートルなどとなっている。また、中台の整備工場は1820平方メートルで、うち大型整備施設200平方メートル、製品倉庫兼中古展示場250平方メートルなどとなっている。
 社長を除く従業員数は9人で、男女別では男6人、女3人、職種別では事務2人、セールス5人、整備2人となっている。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級3人、2級2人となっている。
 次に、車両関係では、軽トラック6台、2トントラック一台、3・5トントラック1
台、乗用車3台となっている。
 取扱銘柄は、トラクター、バインダー、
耕うん機、田植機及びコンバインがクボタ、ティラーがクボタ及びマメトラ、防除機が丸山、もみすり機がサタケ、乾燥機が山本などとなっている。
 事務機器については、パソコン2台、ワープロ2台、ファックス2台、コピー2台となっている。パソコンは顧客管理、請求書・納品書、ダイレクトメール、インターネットなどに利用している。








青年部で中古情報
 次に、当社の最近時(13年8月〜14年7月)の年商をみると、農機関係では前年比95%、家電関係では前年比80%、合計では前年比93%となっている。農機売り上げに占める整備売り上げは6・5%となっている。
 次に、週40時間制への対応についてお伺いすると、店は正月とお盆以外は年中無休で、従業員は農閑期にはローテーションを組み隔週休2日制で対応している。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお聞きすると、農家から下取りした機械で再販できないものは、週1回、須賀川にある大型スクラップ工場に持ち込んで処理している。この工場では、クローラやタイヤは有料であるが、鉄は時価で変動する。
 次に、経営理念についてお伺いすると、「お客様尊重、自分の幸福」をあげられた。
 これは、顧客第一主義であり、CS(顧客満足度)を高めることである。お客様のニーズ、言い換えればわがままをある一線までは聞いて、いい品物を供給する。ある一線までというのが難しく、若い頃はさじ加減に苦労されたという。
 それを乗り越えられたら商売につながり、自分の幸福につながる。
 次に、企業経営の特色であるが、第一にきめ細かな情報提供があげられる。
 国の農業政策転換に伴い農家が二極分化し、小規模農家においては不景気の中、高額商品よりもシンプル農機や中古農機の需要がある。
 一方、大規模農家においては、常に農機が気になっているので、メカに関する情報、農事に関する情報、県外で行われる実演会、試乗会の情報などを欲しがっている。当社では、これらの情報をきめ細かに農家に提供している。
 また、顧客の誕生日にバースデイカードを郵送している。家族でさえ忘れているのに、当社からカードが来たと大変喜ばれている。
 第二には、定期点検に力を入れている。
 定期的にダイレクトメールを送り、需要の掘り起こしを図っている。
 また、修理・整備の依頼には、迅速・丁寧に対応しており、メーカーの研修会、講習会には積極的に参加し、常に技術力の向上に努めている。
 ところで、福島県商協の青年部と言えば全国で27ある青年部の中でも、トップクラスの活動を誇っているが、社長は平成9年から、青年部長を務めるなど、組織に大変理解が深い。
 昨年12月、青年部が中心となって組合のホームページを開設し、中古農機情報コーナーを設けたが、当社も情報を掲載しており、時々アクセスがある。将来、自社のホームページを開設したいという。


組合組織が大事
 次に、過去1年を振り返っての感想をお聞きすると、顧客は兼業農家が多く、リストラや不景気のせいで、トラクター、コンバインが伸びなかった。
 また、農業機械も、日本の果物のように、春だからトラクター、田植機が売れる、秋だからコンバインが売れるといった季節感がなくなってきた。特に春作業が終了したにも関わらず、今年の夏は中型クラスの田植機が売れている。
 最後に、今後の予測についてお伺いすると、中小企業においては、規模の大小に関わらず能力給、能率給の導入など改革が進むと同時に、企業の淘汰も避けられない。特に、下取りに関しては、過当競争を避け、組合が中心となって適正利益の確保に努めていかなければならない。生き残るためには、組合組織が大事である。
 今後は、情報提供などを通じ、お客様により良い商品を提供していきたい。各地区の特産物がある限り、創意工夫でまだまだ発展すると締めくくられた。
 
 

 

全農機商報:平成14年8月号掲載