河上車輌(株)
より良い商品をお値うちに

岐阜県高山市昭和町3−72
TEL 0577-32-0528

昭和初期に創業
 高山は、名古屋からJR特急に乗り約2時間20分、飛騨地域の中央に位置する。
平成10年12月に、北アルプス横断安房トンネルが開通し、首都圏、信州から通年通行が可能となった。

 高山といえば何といっても高山祭りで有名である。
京都の祇園祭り、埼玉の秩父祭りと並んで「日本の三大美祭」の一つに数えられ毎年多くの観光客で賑う。

 当社の歴史をひもとくと、初代社長の祖父、河上東太郎氏が、昭和の初めに市内片原町に河上車輛製作所を作り、荷車(大八車)を製造販売したのが始まりである。
その後、父、吉郎氏が二代目社長に就任したが、次第に荷車が売れなくなったことから、昭和30年代に入り、脱穀機、エンジン、カッター等の農機を扱うようになった。

 34年には県下で初めて本田の耕うん機を扱い、大変な売れ行きを示したという。
37年には法人化し、38年からヤンマー製品を扱うようになり、44年に高山駅から800メートル程離れた現在地に移転した。

 三代目社長の正彦氏は昭和27年生まれの46歳、横浜の大学で建築設備を学んだ後、店を手伝うようになり、平成4年に吉郎氏が会長に就任すると同時に社長に就任し現在に至っている。

 この間、昭和42年3月から本田の四輪を扱うために株河上自動車センターを設立、平成6年には本田プリモ飛騨店に社名変更し、飛騨一円を商圏に4000人のユーザーを抱えている。

 従業員は25人、うちセールス10人、事務(女子)5人、サービス十人、新車は年間1000台、中古車450台、年商16億円をあげている。

 テリトリーとしては、高山市を中心に丹生川村、清美村、宮村、上宝村一帯で、テリトリー内の農業事情は、高冷地野菜として雨よけハウス栽培が行われ、特にほうれん草は夏期には全国一の出荷量を誇るほか、トマト、メロン栽培が盛んである。
顧客数は3500戸で、耕地面積については、大は10アール、小は1アール、平均すると4アールとなっており、ほとんどが第二種兼業農家である。

ホンダとヤンマーをメインに
 次に当社の概要について触れてみよう。
 本社の敷地は2600平方メートルであるが、隣接地に同じ広さの本田プリモがある。
延建面積(農機)は800平方メートルで、うち製品倉庫300平方メートル、 部品庫40平方メートル、ショールーム380平方メートル、中古展示場65平方メートル等となっている。整備施設は中型である。

 社長を除く従業員は7人で、男女別では男4人、女3人で、職種別では事務3人、セールス2人、サービス2人となっている。
農業機械整備技能士の資格者は2級が2人となっている。

 次に車両関係では、スライドローダー1台、1・5トン車 1台、0・75トン車1台、軽トラ4台を有し営業活動を推進している。

 取扱銘柄はトラクター、耕うん機、ティラーがヤンマーと本田、田植機、コンバイン、バインダーがヤンマー、防除機がヤンマーと本田、有光、丸山、オリンピア、乾燥機、もみすり機が佐竹、除雪機が本田、運搬車が本田と筑水となっている。
特に、飛騨地域は豪雪地帯であり、本田の除雪機については、平成8年は全国で11位、9年は約300台を売り9位の好成績をあげている。

 取扱割合では、本田50%、ヤンマー25%、その他25%となっている。

 事務機器については、オフコン1台、ワープロ2台、ファックス1台、コピー1台、マイクロ(ヤンマーの部品注文の端末)1台となっている。

四輪との相乗効果
 次に、当社の最近時の決算状況をみると、10年度は農機関係2億4000万円で前年比95%、その他、有機肥料と建設部門(プレハブ、エクステリア等)4000万円となっている。
うち整備部門は2000万円となり、売り上げに占める割合は8・3%と業界平均よりも高くなっている。

 次に、週40時間労働制への対応についてお伺いすると、農繁期など土、日を休みにする訳にはいかないので、従業員については交替制で年間96日の休日、1日の労働時間七・五時間、年間労働時間2017時間としている。

 店は年中無休に近く、日曜日は社長が対応しているが、除雪機の関係で年末・年始は従業員は自宅待機となる。

次に、経営理念についてお伺いすると、社長は開口一番「より良い商品をお値打ちに。真心サービスに徹し、地域社会に貢献する」と言われる。
当社では価格をはっきり表示し、お客様に安心して買っていただける心構えに徹している。
ホームセンターのように豊富な品揃えをし、アフターサービスにも万全を期している。

 整備をする場合は、きれいに洗車し、ワックスがけをしたり、塗装のはげている部分を再塗装してお客様に引き渡し、大変喜ばれている。
まさにCS(カスタマー・サティスファクション、顧客満足)活動に徹した企業といえよう。

 ちなみに一時間当たりの整備料金は6000円となっている。

 次に、企業経営の特色であるが、第一には店頭販売があげられる。
農機の店舗は昭和44年に完成し、63年に四輪の新店舗が完成したものであるが、平成4年に社長に就任して以来、店の改造に取りかかり、年間100万円ずつを投資しリニューアルに努めてきた。

 コンセプトとしては、
「お客様に来ていただく店作り。どこにいっても恥ずかしくない店作り。四輪に負けない店作り」を目指した。

 除雪機のコーナーは、カナディアンをイメージしたもので、正面の壁にはカナディアンロッキーの大きなパネルが飾られている。
これは、東京ディズニーランドを訪れた時にヒントを得たものである。
広いショールームは機種ごとにきれいに陳列され、壁には成約者の一覧が貼られている。

 「WELCOME お客様に喜んでもらえる KAWAKAMI PLAZA」や 「飛騨の農業を応援します」等のきれいなディスプレーが 目に付く。

  休みが多くて人数が少ない店で売り上げをあげるためには、いかにお客様に来ていただくかが問題である。

 兼業農家が多い中で、訪問販売はコストがかかりすぎる。

 店で見込み客を作り、セールスマンが訪問するという効率的な営業活動を推進している。

 また、隣接地で四輪をやっているため、農家以外のお客様(家庭菜園、除雪機等)が多く、新規客も多いという相乗効果もある。

 第二には、コンピューターの活用があげられる。

 当社では、八年前に富士通のオフコンを導入し、ヤンマーシステム情報サービスのソフトを使い、顧客管理、請求書、売り上げ実績、粗利計算等に活用している。

  また、平成5年に税理士の紹介で、TKCの戦略財務情報システムと戦略給与情報システムのソフトを導入した。
これにより、女子事務員の残業がなくなるとともに、あいた時間にセールスをしたり、月初に試算表ができるようになった。 第三には、DMの活用があげられる。

 前述のように当社ではオフコンで顧客管理をしているが、売り出し、整備、下取り等1回300枚、年間約15回DMを発送する。

 社長は、いかに楽をして商売をするかが大事であると言われる。
 20万円以下の商品はDMで案内し、本社内の実演場で実演すれば良い。
 経費を惜しまず徹底的にPRし、知名度をあげることにより成約につながる。

 第四には、社員が意欲的に仕事に取り組めるよう各種報奨金(年4回)、決算賞与の支給など具体的な目標数字を持たせる。

 3月から5月にかけては、’99大阪、京都グルメ作戦を実施中である。

夢のある店作り
 次に、昨年1年間(平成10年)を振り返っての感想をお聞きすると、農家戸数の減少、委託農家の増加、降雪が少なかった等により大変厳しい年であった。

 今年の1〜4月は去年より良く、特に小型乗用田植機が売れ、前年比10%位伸びた。

 最後に、今後の予測等についてお伺いすると、農家戸数が減るばかりで、先行き不安であるが、これからの高齢化時代に沿った商品(セル付き農機、電動三輪車等)が伸びる。

 農機は自動車に比べれば競争が少ないので、整備、中古、小物商品に力を入れる等利益確保に努める。
 また、店は生きているので、常にリニューアルを行い、BGMが流れる明るい店作り、滝が流れる等の夢のある店作りを目指し、自信を持って頑張っていきたいと締めくくられた。



全農機商報:平成11年6月号掲載