株式会社カミイチ
先用後利で情報提供

中新群上市町若杉新44-1

昭和58年に創業
 富山地方鉄道本線の上市駅から北西に約1kmの県道沿いに当社は位置する。
 上市町は、富山市の東方15kmに位置する田園工業都市で、東南部に標高2998mの剱岳を主峰とする北アルプスの山々を仰いでいる。
また、水がおいしく、全国名水百選に選ばれた穴の谷霊水がある。
 当社の歴史をひもとくと、ご尊父である権佐久氏が富山市で堀農機商会を営んでいたが、社長は、昭和33年、高校を卒業し店を手伝うようになった。昭和58年10月1日、現在地において独立開業した。
 社長は、昭和63年から組合の理事、平成2年からは副理事長、このほか現在、富山クボタ販売店会会長を務められている。
 ご子息である渡専務(34歳)は、大学を卒業後、店を手伝うようになり、現在は社長の片腕として社業に勤しんでいる。組合青年部の役員を務められるなど、両氏とも組織に対する理解が深い。
 テリトリーとしては、上市町、立山町、滑川市、舟橋村、富山市で、テリトリー内の農業事情は、水田85%、果樹15%で、米(コシヒカリ、ハナエチゼン)、大豆、りんご、里芋、ネギ、グリーンアスパラガスなどである。
 顧客数は300戸で、耕地面積については、大は5ha、小は5a、平均すると1・2haとなっており、専業は1%である。


クボタをメインに
 次に、当社の概要に触れてみよう。
 敷地面積は1400平方mで、うち中型整備施設百六十五平方m、ショールーム百十八平方m、製品倉庫百平方m、中古展示場33三平方m、事務所19・8平方m、部品庫39・6平方mなどとなっている。
 社長を除く従業員は3人で、男女別では男1人、女2人、職種別では事務1人(社長の奥様、千恵子さん)、セールス兼整備1人、サービス1人(コインランドリー関係、専務の奥様、由賀さん)の家族経営である。
 農業機械整備技能士の資格者は1級一人、二級1人となっている。
 次に、車両関係では、軽トラック1台、1・5t車1台、2t車1台、軽ライトバン1台、普通ライトバン1台、乗用車3台を有している。
 取り扱い銘柄は、トラクター、ティラー、田植機、コンバインがクボタ、防除機が丸山、乾燥機及びもみすり機がサタケ、コイン精米機がタイワ精機となっており、クボタの割合が約7割である。
 事務機器については、パソコン、ファックス及びコピーが1台ずつで、パソコンは顧客管理に使用している。
 当社では、農業機械のほかに、米、コイン精米機、コインランドリーを扱っており、14年12月期決算でみると、それぞれ前年比110%となっている。また、農機売り上げに占める整備部門割合は6・25%となっている。


先を見た経営


 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、農家から買い取りまたは下取りした機械で再販できないものは、無料で処理業者が引き取ってくれるので特に困っていない。
 次に、経営理念についてお聞きすると、「先用後利」との言葉が返ってきた。  これは、越中売薬の精神で、「用を先に足して利益は後から」ということで、薬売りは元々は現金商いであったが、交通網が管理されておらず、庶民にとってもいつどのような薬を使うのかわからない状態で多くの薬を買い、常備しておくことは不可能であった。
 そこで「一回だけの取引ではなく幾度と訪問する。とりあえず幾つかの薬を渡して、次に来たときに使った分だけ代金を請求する」ことになった。 店として、お客様に利益をもたらす情報提供をすることが大切である。
 次に、企業経営の特色であるが、業界を取り巻く環境が厳しい中で、一歩も二歩も先を見た経営を行っていることがあげられる。
 当社は、農機販売店では後発であるが、昭和63年5月、全国で初めてコイン精米機を設置した。本業をやりながら不労所得を得ることが目的で、当初、5年で償却する計画であったが、3年で黒字化した。現在、20台を設置している。
 また、スーパーやショッピングセンターに設置したコイン精米機のオーナーを五百五十万円で募集している。

 さらに、除草剤を使わず、環境にやさしい循環型農業、有機農業としておいしい米作りを目指すため、平成12年、中古田植機にブロードキャスターを取り付けた米ヌカ散布機(45万円)を開発した。
 このほか、昭和61年から農家と契約し、計画外流通米を取り扱ったり、平成12年からは、コインランドリーを2カ所設置している。



顧客を大切に
 次に、昨年を振り返っての感想をお伺いすると、トラクター、コンバインは更新需要のため伸びた。しかし、3割減反はひどい。米価も安く、農家だから生きていく。一般企業では考えられない。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、具体的な予測が立てにくく、何が起こるか分からない。今まで経験したことのない時代でありデフレにさらに拍車がかかる中で、農機は厳しく、農機以外は横ばいないし右肩あがりであろう。近年はホームセンターとの競合が激しいが、サービス面で対抗する。
 農家は、お金を持っているが使わない傾向がある。無駄を省くとともに、日頃の接触を積み重ね、従来のお客様を大事にし、利益を確保して厳しい時代を乗り切っていきたいと締めくくられた。




全農機商報:平成15年3月号掲載