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岩手県岩手郡西根町大更21-12-29
7月27日の早朝、盛岡駅で岩手県商協の高橋事務局長と合流し、車で45分、伊藤農機を訪問した。
西根町は、盛岡市の北西25キロに位置し、南西端に秀峰岩手山、北端には七時雨山がそびえ、山並みの間に平坦地が開けている。
当社は、JR花輪線の大更駅より南西350メートル程に位置する。
当社の歴史をひもとくと、初代社長の伊藤多実三氏は、盛岡市の藤村工業所(現・ヤンマー農機東日本岩手カンパニー盛岡支社)に勤めていたが、昭和30年に独立、西根町五百森地区で創業したのが始まりである。
当時は、野田の耕うん機、脱穀機、エンジンなどを取り扱っていた。
昭和50年には、手狭になったことから、現在地に移転するとともに法人化し、芝浦との取引も開始した。
現社長の佐々木孝雄氏(42歳)は、昭和60年から当社に勤務、平成元年に伊藤社長の長女である律子さんと結婚、その後専務として伊藤社長を支えてきたが、本年1月、伊藤社長が逝去されたことから、二代社長に就任し現在に至っている。
テリトリーとしては、西根町、松尾村、玉山村で、テリトリー内の農業事情は、米(あきたこまち、いわてっこ)が主体であるが、このほか雨よけほうれん草(天皇賞を受賞し品質日本一)、畜産(乳牛、和牛)などとなっている。 顧客数は、850戸で、耕地面積については、大は14ha、小は30a、平均1haで、専業農家割合は1割である。
次に、当社の概要に触れてみよう。
本社の敷地面積は、2000平方メートル、うちショールーム85平方メートル、事務所40平方メートル、部品庫60平方メートル、整備施設(2カ所)85平方メートル及び115平方メートルとなっている。このほか、2キロ程離れた五百森地区に中古展示場1900平方メートル、製品倉庫66平方メートルがある。
社長を除く従業員は、男4人、女1人の計5人で、職種別では事務1人、セールス2人、整備2人である。
農業機械整備技能士の資格者は1級2人、2級2人となっている。
次に、車両関係では、3.5トン車1台、1トン車1台、軽トラ3台を有している。
取り扱い銘柄は、ヤンマーが8割で、このほか防除機が共立、籾すり機がサタケ、乾燥機が山本となっている。
事務機器については、パソコン2台、コピー1台となっている。
次に、最近年次(15年6月〜16年5月)の決算についてみると、農業機械については前年比110%となっている。売り上げに占める農業機械の割合は90%、このほか住設機器取付販売5%、農薬5%となっている。農業機械売り上げに占める整備部門割合は約10%である。
次に、週40時間制への対応であるが、農閑期(7月、11月)は週休2日制にしているが、お客様から自宅に電話がかかってくるため、社長と奥さんが出勤することもある。
次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、農家から下取りして再販できないもののうち、大きな機械については、町内の業者に無料で持ち込む。小さな機械については、分別し、有料で別の業者が引き取ってくれる。
次に、経営理念についてお聞きすると、「一つ一つを大事にする」ことをあげられた。これは、先代社長の時代からのもので、細かいパーツや修理を依頼されても、常にお客様を大事に、商品を大事にするよう心掛けている。
社長になって半年経過したが、元々、従業員としてスタートしており、従業員には、こういうようにしてもらわないと困ることははっきりと伝えるようにしている。
経営者としては、コミュニケーションを取りながら、従業員から何でも言えるように努めている。
次に、企業経営の特色であるが、第一には、修理、整備の依頼に迅速に対応し、お客様との信頼関係を大切にしていることがあげられる。メーカーの研修会、講習会には積極的に参加し、常に技術の向上に努めている。
第二には、平成10年から農薬を扱うようになり、来客数が増えるとともに、来店時に小物商品を買うお客様が増えた。
第三には、時期前にセールスマンの訪問時、定期点検を勧誘することがあげられる。
次に、過去1年を振り返っての感想をお伺いすると、昨年は冷害の影響で秋商品が悪かった。今年に入り、水田農業構造改革対策(16年度から3年間)として、意欲的な畜産農家が減反した農地を借り、飼料作物に転作する取り組みが出て、トラクター(50馬力)や牧草作業機(ロールベーラー、モアー)が売れた。
最後に、今後の予測についてお聞きすると、9割は兼業農家であるが、昨年の冷害に加え、不景気で公共事業が減り、今まで奥さん1人だけであったが、一緒に野菜を作る農家も出てきた。
一方、高齢化が進み、田植えは自分でするが、収穫作業は委託する農家が増えている。このような流れの中で、受託を増やすために規模拡大を図る農家があるが、10年後には受け手がいなくなるのではないか。現在でも、11月まで刈り取りが遅れることもある。
販売店やJAが多く競争の激しい地域であり、大規模農家に販売が集中しがちであるが、当社では、中小農家に情報を提供し、大切にしていきたいと締めくくられた。
全農機商報:平成16年8月号掲載
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