山梨県甲府市湯村3−4−33
TEL 0552-54-2001
中央線甲府駅から車で約15分、県道甲府韮崎線(山手線)沿いに当社は所在する。甲府といえば、風林火山の武田信玄が有名で、甲府駅前には立派な銅像があり、武田信虎、信玄、勝頼の三代に渡り住んだ躑躅ヶ崎館の跡地には武田神社が建立されている。
当社の歴史をひもとくと、初代社長で現会長の要治氏は明治39年に富士見村小石和の農家に生まれた、戦前は米屋を営んでいたが、統制が出来てやめた。 戦時中は、立川飛行機製作所傘下の甲府航空工業株として航空機部品の生産に励んできたが、終戦とともに解散、食料不足の折から昭和20年10月1日、市内下一条において岩間精米機械工業社を創業し、精米、精麦、製粉等食糧加工機の製造、販売、据え付けを始めた。
現社長の英雄氏は昭和4年に生まれ、24年に山梨高専を中退し店を手伝うようになった。
25年には丸の内に移転するとともに法人化し岩間農機株を設立、新たに新三菱重工業及びヤンマーディーゼルの県下総代理店として一般農業機械を取り扱うようになった。
近年、国、県、町村等が農村の近代化施設の設置に力を入れ始め、農業近代化資金の利用や農業構造改善事業計画を協力に推進することに対応し、当社も共同撰果施設、共同防除施設、畑地灌漑スプリンクラー施設等の設置等大型化される農村近代化の一翼を担ってきた。 特に果樹立国の県として、大型のスピードスプレヤーの普及に努めてきた。
40年には丸の内に本社社屋を建築、43年には富士吉田市に吉田営業所、44年には東山梨郡勝沼町に勝沼整備工場、平成5年には現在地に本社社屋を建築した。
この間、58年には英雄氏が二代目社長に就任し現在に至っている。
テリトリーとしては県下一帯であり、テリトリー内の農業事情は、農家戸数4万5980戸、販売農家数2万8670戸、うち専業6410戸、一種兼業7710戸、二種兼業1万4550戸となっている(10年1月1日現在)。
作物別では果樹(ぶどう、もも、すもも等)が80%、水田が10%、野菜と花きが10%となっている。 顧客数は9000〜1万戸と大変多く、耕地面積については、大は2ヘクタール、小は10アール、平均すると50アールとなっている。
次に当社の概要について触れてみよう。本社の敷地は429・79平方メートルで、延建面積は786・57平方メートルとなっており、うち製品倉庫324・97平方メトル、部品庫99平方メートル、ショールーム151・8平方メートル、整備施設59・4平方メートル等となっている。 整備施設の認定は受けていないが、勝沼整備工場は未認定ながらA級に相当する。
社長を除く従業員は18人で、男女別では男14人、女4人となっている。職種別では事務5人、セールス8人、整備5人となっている。 農業機械整備技能士の資格者は1級5人、2級2人となっている。
次に車両関係では、2トンスライドローダー1台、トラック1トン車2台、0・5トン車6台、軽トラ6台、乗用車1台を有し営業活動を推進している。
取扱銘柄はトラクター、耕うん機、ティラー、田植機、コンバイン、バインダーがヤンマー、三菱、防除機がヤンマー、三菱、丸山、ショーシン、乾燥機が静岡、もみすり機が大竹、その他筑水、オーレック等で、取扱割合ではヤンマーと丸山が約25%ずつ、その他50%となっている。
事務機器については、オフコン1台、パソコン1台、ワープロ1台、ファックス2台、コピー2台となっており、オフコン及びパソコンは顧客管理、売り上げ管理、請求書の発行等に活用している。
次に、当社の最近時の決算をみると、10年度は農機関係で前年比約10%減、その他施設関係約8%減、合計では10%弱の減となった。
前述したように、当社は元々施設関係が主体であったが、現在では総売上に占める割合は約7%となっている。
次に、週40時間労働制への対応についてお伺いすると、休日カレンダーを作成、年間労働時間は2080時間となっており達成している。
農閑期は完全週休2日制をとっており、農繁期は一部の土曜日を交替制勤務としている。
次に、経営理念についてお伺いすると、社長はおもむろに書類を取り出し次のように言われる。
「人生には三つの道がある。
己の為にのみ生きる道を『生活道』と書いて、たつきのみちと読み、他の為にのみ生きる道を『奉仕道』と書いてまつりのみちという。そしてこの二つが重なり合った道、つまり己の為であり同時に他の為である道を『業道』(なりはいのみち)と読み、世に言う正業(せいぎょう)がこれに当たる。
人にとってどれが尊いと云うのではなく、要はそれが均等になされる事が望ましい事と云われるが、それには己の行動の毎日を顧みて、翌日には、より均等になるべく努めることが、なによりも、大切である。
そして、生活道には節度を、奉仕道には謙虚さが、業道には使命感が必要である。 次に、企業経営の特色であるが、第一にはきめ細かなアフターサービスと高い技術力をあげられた。
農業機械は年々高性能化しプリント基盤化やコンピューター化が進んでいるが、当社ではメーカーの講習会や新製品発表会には積極的に参加し、常に技術力の向上に努めている。
社長は、研鑽を重ね1級整備技能士の資格を取得したが、技術レベルが上がれば地域の農機具屋のレベルを高めることにつながるとして、技術力向上に執念を燃やしてきたが、残念な事に、無料修理を行う店が出てきた。 社長はこのような事が、農機販売店の社会的地位が上がらない原因の一つであると苦言を呈される。
また、現在車両には全て無線を取り付け、ユーザーからの要請には迅速に対応しているとともに、シーズン終了後セールスマンが声をかけ、集落ごとに整備を行っている。
第二には、税制上の買換特例制度の活用があげられる。
当社では、平成5年に買換特例制度を活用し、丸の内にあった旧本社の土地、建物を売却し、新たに現在本社のある湯村に本社建物、近くにあった社員寮の建て替え、及び勝沼営業所の土地の拡幅ならびに建て替えを行った。
ご高尚のように、農業機械販売整備又は整備業では、全農機商連が実施主体となり、中小企業近代化促進法に基づき農林水産大臣の承認を得て構造改善事業を実施しているが、傘下組合員中小企業においては買換特例制度の対象者となる。
買換特例制度は、「昭和56年12月31日以前に取得した土地等、建物又は構築物を売却し、新たに建物、機械・装置へ買い換えた場合に、圧縮記帳(取得した資産の帳簿価格を圧縮して記帳すること、圧縮限度割合60%)及び圧縮記帳額の損金参入が認められる制度」で、課税額が減額される。
当社は業界で唯一、この買換特例制度を活用した企業でもある。
今年で93歳になる会長は、40年から59年にかけ山梨県商協の理事長を務められ、54年には勲五等瑞宝章を受けられた。 また、社長は3年前から商協の副理事長を務められる等組織に対して大変理解のある方である。社長の長男、正行氏(42歳)は日大生産工学部を卒業後、ヤンマー学院、静岡の農機販売店、ロボット工学の会社等を経て現在、社長の片腕として活躍されている後継者に恵まれた企業である。
次に、昨年を振り返っての感想をお聞きすると、昨年1月15日に未曾有の大雪に見舞われ、ユーザーのぶどう棚が壊れるというまさかのアクシデントで始まり、年間を通して最悪に近い状態であったが、厳しい状況の中では、オーレックの乗用草刈機とヤンマーの乗用耕うん機アグリカが良く出たという。
最後に、今後の予測についてお伺いすると、全てスピードアップされていく時代になる。兼業農家の若い子弟はコンピューターを使いこなし、農業以外で感性を養っている中で、農機具屋は時代に取り残されている。若い人がこれから農家とどう付き合っていくかが課題である。
また、農業の生産性を高めるロボット作りを進めれば、農業はもっと楽しく出来る。既に施設園芸では、若い人が携わり高い収益を上げている例がある。
さらに、農業の良さをアピールする方向を見出せば明るさがあると締めくくられた。
全農機商報:平成11年3月号掲載
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