(株)石川商会
店頭販売でコスト削減

千葉県旭市ロ-1275
TEL0479-68-3115

昭和11年に創業
 旭市は、東京から80キロ程離れた千葉県の北東部、九十九里海岸の北端に位置し、東は銚子市に接している。

 江戸時代中期より、北部に広がる椿海の干拓が始まり、300年経った戦後にようやく終了したが、完成後は干潟八万石と呼ばれ、首都圏の食料をまかなう東総の大穀倉地帯となっている。

 本社は、JR総武本線の旭駅から北に700メートル程の所に位置する。

 当社の歴史をひもとくと、先代の昇氏は、大正時代、県内で一番の老舗であった東金市の石川商会に勤めていたが、昭和11年6月、のれん分けし、旭市仲町で創業したのが始まりである。
当時は、脱穀機、もみすり機、精米機、製粉機、製縄機等を扱っていたが、40年頃、現在地へ移転した。

 小関社長(64歳)は、銚子商業を卒業した28年から店を手伝うようになり、54年に二代目社長に就任した。昇氏は59年に死亡した。

 テリトリーとしては、旭市、八日市場市、銚子市、小見川町、干潟町、海上町、飯岡町、東庄町、野栄町、横芝町、多古町、山田町、光町、松尾町と広大なものとなっている。

 テリトリー内の農業事情は、米作のほか、千葉県は全国一の野菜粗生産額を誇ることもあり、キャベツ、大根、メロン、にんじん、さつまいも、ねぎ、ごぼう、やまといも、パセリ、ハウス物としてはキュウリ、トマト、ピーマン、柿、梨、春菊、いちご等多種に渡っている。

 顧客数は7000戸で、ほ場整備が進んでおり、比較的規模の大きな農家が多い。県平均の専業率は14%であるが、テリトリー内では28%と高く、特に施設園芸に専業が多い。売上高で3000万円を超える農家も少なくない。

ヰセキをメインに
 次に、当社の概要について触れてみよう。 資本金は3000万円、本社の敷地は6600平方メートルで、延建面積は2500平方メートルとなっている。
営業所は、旭、八日市場、小見川、銚子の4カ所にある。
 整備工場は、本社及び各営業所の5カ所となっており、全て大型である。

 社長を除く従業員は76人で、男女別では男62人、女14人、職種別では、事務二十七人、セールス32人、整備17人となっている。

 農業機械整備技能士の資格者は、1級37人、2級5人、このほか自動車2級整備士が1人となっている。  車両関係では70台を保有している。

 取扱銘柄は、トラクター、耕うん機、ティラー、田植機、コンバイン及びもみすり機がヰセキ、防除機が丸山及び初田、乾燥機がヰセキ及び金子等で、取扱割合はヰセキが70%となっている。

 事務機器については、オフコン1台、パソコン12台、ワープロ3台、ファックス8台、コピー7台となっている。

 次に、週40時間労働制への対応についてお伺いすると、年間カレンダーを作っており、年間休日は105日、年間労働時間は2080時間で達成している。
本社にあるサービスセンター及び部品センターと各営業所は、年末年始とお盆を除き年中無休で、社員はローテーションを組んで対応している。

自分の城で商売する
 次に、経営理念についてお聞きすると、社長は今年の仕事始めに行った社員総決起大会の資料を取り出し、1999年度の基本方針について次のように言われる。
  1.顧客の信頼を高め、1人でも固定客を増やす。
  2.人、物、金の無駄を徹底して省き、効率化を図る。
  3.社員の生活安定向上。

 また、当社では、『5S運動の徹底を図ろう!』として、1.整理、2.整頓、3.清潔、4.清掃、5.躾(礼儀正しくきちんと挨拶)の励行を推進している。

 次に、企業経営の特色であるが、第一には店頭販売があげられる。
 本社から車で5分程の所に旭営業所がある。 4000千坪の敷地の中に1800坪のほ場(水田、畑)があり、850坪の建坪のうちショールームが600坪を占める。
駐車場には100台以上が駐車できる。

 平成9年6六月に上物だけで2億円をかけて竣工したもので、ガラス張りのショールームの中にはBGMが流れ、トラクター、コンバイン、田植機、乾燥機等の本機から、農業資材、肥料、農薬等に至るまで農業に関するあらゆる物がきれいに陳列されている。
営業拠点としては、質、量とも全国で屈指のものといえよう。

 商品(現物)展示と情報を与え、隣接するほ場でトライアルしてもらう。
まさに「見て、触って、動かす」ことにより成約につながる。

 社長は、自分の城で商売することが一番である。セールスは効率が悪くコストもかかる。お客様にとって魅力のある店、欲しい時に欲しい物を提供できる店を目指したと言われる。

 当社では、コンピューターで顧客管理をしており、DMを送るほか、チラシ広告の配布等により集客に努め、店頭で成約に至らなかった場合は、セールスがアタックするという多段階販売を推進している。

 第二には、顧客管理の徹底があげられる。
コンピューターによる顧客管理のほかに、希望するお客様には無料で口座引き落としの会員カード(石川カード、全営業所共通)を発行している。br> これは、カードを提示すれば工賃と補修部品代を3%割り引くもので、約3割の顧客が利用している。

 これにより、

  1. 集金時の端数値引きがなくなる、
  2. 収入印紙が不要、
  3. 集金事務がなくなり効率化、労働環境の改善が図れる、
  4. お客様の囲い込みが出来る等の利点がある。

 第三には、アフターサービスの充実があげられる。

 平成3年に増設した本社サービスセンターは、1.チェーンブロックを2台並設、2.採光に配慮した透明なアクリル製のシャッター(開閉可能)3.下回りを整備する時に手の影が出ないようなライティング等、効率化等に努めている。

 また、近年、農業機械の高性能化、電子化等が進んでいることから、定期的にメーカーの技術研修に参加し研鑽に努めている。

井関農機にはESC(エクセレント・サービス・クラブ、部品代を除き年間工賃700万円以上)資格があるが、当社では現在4〜5人が資格を取得している。ちなみに当社の年間工賃は約1億円となっている。

 第四には、営業所及びサービスセンターが独立採算性を取っていることがあげられる
。 本社から卸条件で仕入れ、お客様に売っており、利益が上がれば期末に社員に還元する。 第五には、コンピューターによる効率化の追求があげられる。

 本社、営業所をオンラインで結び前述した顧客管理のほかに、製品管理、会計・経理、部品管理(メーカーにも直結)等に活用している。特に部品については、本社で一括して管理し、毎日、配送車を巡回させている。
また、営業所では、売掛帳や商品出納帳はなく、あるのは小口出納帳のみである。

 次に、過去1年を振り返っての感想をお伺いすると、9月までは前年比多少プラスと比較的順調であったが、これからが厳しい。米価が下がることが購買動機のマイナスになると心配している。

やり方により道が開ける
 小関社長は、平成5年5月より千葉県商協理事長、本年2月から全農機商連常任理事、また平成6年より全国井関会の副会長を務められている等組織活動に大変理解が深い。

 娘婿の春寿氏(41歳)が専務を務められており、後継者に恵まれた企業でもある。

 最後に、今後の予測等についてお伺いすると、米関連資材は量的に減少する。畑作、施設園芸、農業資材、建設部門でお客様との取り引き関係を続けることが農機販売につながる。
お客様を維持するためのローラー作戦はコスト面で無駄である。整備修理の付加価値の向上対策として、コンバイン、施肥田植機の時期が終わった後の格納整備に力を入れたい。
また、ホームページを使った情報提供も考えている。

 厳しい状況ではあるが、やり方により道が開けると締めくくられた。 



全農機商報:平成11年10月号掲載