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茨城県ひたちなか市枝川2356ー2
株式会社イバノウ本社
JR水戸駅から北東へ2.5キロ、水戸公設市場通り沿いにイバノウは位置する。
ご尊父、小沼武夫氏は、戦後、茨城県商協の初代理事長である安達勝次郎氏が社長を務めた茨城農機具に勤務した。昭和40年に独立し、現在地より1.5キロ離れた勝田市市毛に茨農機械勝田支店を開設した。当時は、ロビンのティラー、管理機、野田のバインダー、籾すり機などを扱っていた。
46年、法人化し茨農勝田有限会社、その後株式会社を経て、平成6年、株式会社イバノウに変更した。48年からクボタとの取引が始まり、56年に現在地に移転した。
和之氏(46歳)は、大学卒業後、2年間動力炉・核燃料開発事業団に勤めた後入社、平成10年に二代社長に就任した。茨城県商協は、昨年6月、常設中古農機展示場を開設したが、社長は、中古農機運営委員会委員として推進を図っている。
テリトリーは、ひたちなか市、水戸市、茨城町、城里町、那珂市、東海村、常陸太田市、日立市、鉾田市で、農業事情は米(コシヒカリが主体のほかあきたこまち、ユメヒタチ)、ネギ、白菜、キャベツ、さつまいもなどである。
顧客数は800戸で、耕地面積については、大は30ヘクタール、小は15アール、平均すると60アールで、専業割合は約6%である。
ショールーム
本社の敷地面積は1650平方メートル、うち大型整備施設工場380平方メートル、ショールーム119平方メートル、製品倉庫320平方メートル、中古展示場99平方メートル、事務所26平方メートル、部品庫92平方メートルなどとなっている。このほか水戸公設市場前に倉庫がある。
社長を除く従業員は男3人、女2人の計5人、職種別には事務2人、セールス1人、整備3人である。
農業機械整備技能士は、1級3人である。
取り扱い銘柄はクボタが7割で、このほか防除期が共立、丸山、乾燥機が金子、籾すり機がサタケ、刈払機がゼノア、共立などとなっている。
次に、最近年次(19年6月期)の決算についてみると、新農政の影響等で前年同期比で売り上げを落とした。農業機械に占める整備部門割合は7.6%、中古農機割合は15.2%である。後述する農業法人に対する倉庫と乾燥機のレンタル料金は伸びている。
使用済み農業機械の処理については、市内の処理業者に有料で買い取ってもらう。タイヤは別の業者に委託している。
整備工場(手前)とライスセンター
次に、経営理念についてお聞きすると、サービス(修理)に満足していただければ、お客様は離れない。機械を売ろうと思わなくても、信用が貰えれば売れる。
次に、企業経営の特色であるが、農業法人の活用が挙げられる。
平成17年、社長を含む7人が出資し、(株)イチゲアグリを設立した。業務内容はライスセンターとコントラクター(農作業請負)である。
ライスセンターは乾燥機9台を稼働し、年間約100人が利用している。
耕作面積は、自己所有を含め19年は4ヘクタール、20年は5ヘクタールで、春は畦塗りと代掻き、田植え、秋は刈り取りである。顧客から米を集荷し、常陸太田市の米屋に引き渡す。
農業機械の販売修理だけでなく、農業経営と農作業受託作業の複合化を行い、自ら農業での安定経営を確立するとともに、顧客の利益を増加する米の流通方法を提供している。
社長は、農業従事者の高齢化、離農者の増加に伴う農家戸数の減少に対応した経営が必要である。農家の農業に対する意欲が減少する中で、今までと同じ農業機械の販売整備だけでは売り上げは減少する。農家のニーズは最終的には米を高く売ることである。当社から農業機械を購入すれば、米を高く買ってくれる。まさに他社との差別化戦略である。
中国からの輸入品が増加する中で日本農業はなくならない。農業での生き残り方策を考え、自らの農業経営で得たノウハウを農家へアドバイスする。当社のHPでは「頑張る農家のサポーター」「お客様の立場に立った販売修理」を謳っている。
中古展示場
次に、昨年を振り返っての感想をお伺いすると、品目横断的経営安定対策が本格的にスタートする中、過去20年間でトラクターの販売台数が最低であった。他の機械で売り上げはある程度カバーできたが、農家の農業に対する意欲低下は強く感じる。
今年に入りトラクターの動きは良くない。当地のような都市近郊型農業では裕福な農家が多く、平成2年からキャビン付の導入が始まるなど更新が早かったことから、買い替え需要に繋がらない。乗用田植機、乾燥機、コンバインは動きが良い。
次に、農政に対する意見をお聞きすると、弱者切り捨ての政策としか言いようがない。
農家が離農すること自体業界にとってマイナスである。10ヘクタール以上の耕地面積を持つ当社の顧客は7人いるが、認定農家は2人だけである。減反、転作を求められるのでメリットがない。
最後に、今後の予測についてお伺いすると、農業法人や個人農家でも、農業従事時間当たりの収入がある程度安定してくれば農業者は残るが、現在のままでは当社の周辺にある農家は、20年後には10分の1も存在しない。大規模農家、農業法人の増加も加速するとは思われない。
国が将来大企業の農業参入を認めた場合、今の農業形態が一変する。
農家戸数が減少する中で、クボタブランドの強みを生かし、元気な農家を取り込む必要がある。農業法人の経営を通じ農業を実践しているが、農業を行うことは難しい。現在は米だけであるが、いずれ地元特産の干しいもを扱いたい。
世界的な人口増加に伴う食料不足やバイオ燃料の需要が高まる中で、農産物価格の安定が望まれる。
日本農業は決して無くならないであろうし、農家のニーズを常に考え応えていけば、生き残ることは可能である。農家あっての農機販売店である。
全農機商報:平成20年2月号掲載
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