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福島県福島市西中央5−32−1
大内農機具店は、JR福島駅から磐梯吾妻スカイラインに抜ける高湯街道(県道70号線)を2キロ程行った所に位置する。
当社の歴史をひもとくと、社長のご尊父、昇次郎氏は、終戦後、農業を営むかたわら、地元の農機具屋(現在は廃業)に勤めていたが、昭和39年4月に独立、現在地より200メートル程離れた自宅で創業したのが始まりである(現在はサービス工場と製品倉庫がある)。当時はクボタの水田用機械や丸山の防除機などを扱っていた。
昇氏(55歳)は、高校を卒業後、防除機メーカーのショーシンの福島支店に勤めていたが、52年7月に店に戻り専務として実質店を取り仕切った。
53年、法人化(資本金300万円)、63年8月に現在地に新社屋を完成し本社とし、平成11年、サービス工場をリニューアル、12年、二代社長に就任し現在に至っている。
社長は現在、福島県商協の副理事長を務めており、長男の聡氏(25歳)は本田の専門学校である本田学園を卒業後、夫妻で店を手伝っている。
テリトリーとしては、福島市と伊達郡国見町、梁川町、桑折町、伊達町、保原町、霊山町、月舘町、飯野町、川俣町のほか、相馬市と宮城県伊具郡丸森町の一部となっている。
テリトリー内の農業事情は、7割が果樹(梨、りんご、桃、ぶどう)、3割が米(コシヒカリ)となっている。
顧客数は3100戸で、耕地面積については、果樹は1・5ヘクタール、水田は50アール未満が多い。
次に、当社の概要に触れてみよう。
本社の敷地面積は1000平方メートル、うちショールーム99平方メートル、製品倉庫108平方メートル、事務所33平方メートルなどとなっている。サービス工場の敷地面積は2500平方メートル、うち中型整備工場265平方メートル、製品倉庫427平方メートルなどとなっている。 社長を除く従業員は、男8人、女2人の計10人で、職種別では事務2人、セールス2人、整備6人である。
農業機械整備技能士の資格者は、1級8人、2級1人と社長を含め男全員が技能士の資格を取得している。このほか、2級自動車整備士が4人いる。
次に、車両関係では、軽トラック6台、1・5トン車1台、2トン車1台、3トンセルフローダー車1台、軽乗用車2台、普通乗用車1台を有している。
取り扱い銘柄は、トラクター、田植機、コンバイン、バインダーが三菱、耕うん機、ティラーが本田、防除機が丸山、乾燥機が山本、もみすり機がサタケとなっている。
次に、最近年次(15年8月〜16年7月)の決算についてみると、前年比100%、うち整備部門割合は12%となっている。
次に、週40時間労働制への対応であるが、年間カレンダーを作り、日曜日は休みであるが、サービス工場については、農繁期はローテーションを組み無休としている。
次に、企業経営の特色であるが、業界に先駆けた店頭販売向けの店作りがあげられる。
昭和63年当時は冷害の影響で非常に厳しい中、新社屋を作るに当たり、従来の農家を相手にするだけでなくホビー農家、ホワイトカラーの人が入ってこられる店を作る。セールスマンは不要である。店がセールスマンで、不要となったセールスマンの人件費で建物を建て、償却する。道路沿いに作り、来店成約率を高める。
ホワイトカラーの人が来店しやすくするため、店内には大型機械は展示しない。 集客力のある店作りをするに当たりいろいろと調査をしたが、当時の農機業界では事例が少なく、自動車業界を参考にし、本田の指導を受けた。
新築した時に、業界の人から「こんなきれいな店を作っても、農家が来ないのではないか」と言われたが、現在では来店成約率が60%を超えている。
最近でこそ、店頭販売を意識した農機販売店が増えてきたものの、当時は画期的な店作りであった。
展示会は年4回開催しているが、ダイレクトメールを打つお客様の層を変えたり、新聞折り込み広告を交えるなどの工夫をして集客に努めている。
次に、経営理念についてお聞きすると、第一には、農家が二極化する中で、当社ではピラミッドの底辺層であるホビー農家に焦点を絞る。大規模農家とは取引をせず、販売会社と棲み分けを図る。
第二には来店成約率を向上させる。
当社では、お客様から依頼があった時以外は夜間推進は一切行わない。
第三には来店整備率を向上させる。
サービス工場をリニューアルした時に、本社ではなくサービス工場で展示会を開催したことから、刈払機などは大内農機具店に持ち込めば修理してくれるという意識がお客様に定着した。持ち込み整備を増やすために、サービスマンを増員し全員が技能士の資格を取得した。また、部品在庫を増やしたり迅速な修理に努めるとともに、持ち込まれた機械は、必ず洗車をしてお客様に返すようにしている。
次に、昨年、1年間を振り返っての感想をお伺いすると、一昨年は果樹が悪かったが、昨年から今年にかけ価格の上昇に伴い果樹農家の投資が増え、特に不要な蕾を採る桃の摘蕾機が売れた。
最後に、今後の予測についてお聞きすると、農家の二極化が進む中で、底辺層のお客様のニーズをいかにつかみ利益率を高めるかが大事である。ホビー農家は数が多いので悲観はしていない。アフターサービスを強化し、ホームセンターとの差別化を図る。
先代社長は50歳で引退したが、息子夫婦が父の後を継いで良かったと思えるようにするのが自分の役目である。すでに本田の仕入れを任せているが、世代交代をしなければ経営的に大変なことになるので、ここ数年で引退しようと思うと締めくくられた。
全農機商報:平成17年5月号掲載
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