有限会社加藤農機商会
お客様に丁寧に対応する

千葉県佐倉市表町3-14-10

創業70年の老舗
 佐倉市は、千葉県北部の北総大地の中央に位置し、成田空港へは東へ15キロ、千葉市へは南西に20キロ、市北部には印旛沼が広がる。
 当社は、JR佐倉駅の北東300メートルの繁華街に位置する。
 社長のご尊父、武雄氏は、昭和の初頭、金物屋に住み込みの番頭として勤めていた。この金物屋が、東京・四谷に所在し農具の卸をしていた柳田商会と取引があったことから、昭和8年に、現在地に土地を購入、10年から本格的に商売を始めたというので、今年で創業70年の老舗である。
 柳田商会は、佐倉駅まで貨車で農具を移送し、県内の販売店に流通していた。いわば流通拠点としてスタートした訳である。当時は、鍬、鎌、鋏、除草機、縦型エンジンなどを扱っていた。
 昭和28年からヤンマーと取引を開始し、36年に法人化した。平成17年度ヤンマー農機全国大会において、取引50周年の表彰を受賞している。
 進社長(68歳)は、31年に高校卒業、2年間簿記学校に通った後、33年に入社した。高校時代から、エンジンの修理や自動二輪の免許を取得し配達などの手伝いをしていた。
 印旛沼周辺という土地柄、店のすぐ側を流れる高崎川をのぼって舟で物を取りに来たり、牛車で取りに来たり、あるいは牛を下取りし、馬喰屋(畜産屋)に処理を依頼したこともあった。
 56年に進氏が二代社長に就任、62年、新社屋を建築、平成7年、武雄氏が死去した。
 社長の長男、毅氏(31歳)は高校卒業後、入社、社業に勤しんでいる後継者に恵まれた企業である。
 テリトリーとしては、佐倉市、八千代市、成田市、四街道市、印旛村で、テリトリー内の農業事情は、印旛沼の湿田地帯で米(コシヒカリ)、やまといも、人参、白菜、ネギ、梨などである。
 今でも、早朝の京成電車には米、野菜などを直販する「かつぎ屋」が乗る行商専用車両がある。車内では物々交換が行われている。
 顧客数は1500戸で、耕地面積については大は4ヘクタール、小は8アール、平均すると8アールとなっている。成田空港が近く、東京通勤圏(東京駅までJR快速で約1時間)でもあり、都市化が進み裕福な農家が多い。専業割合は約15%である。
ヤンマーをメインに
 次に、当社の概要に触れてみよう。
 敷地面積は、760平方メートル、うち中型整備施設120平方メートル、ショールーム60平方メートル、製品倉庫350平方メートル、中古展示場140平方メートル、事務所10平方メートル、部品庫60平方メートルなどとなっている。きれいな社屋には、取材中も何人ものお客様が来店していた。
 社長を除く従業員は、男8人、女1人の計9人で、職種別では事務1人、セールス5人、整備3人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級1人、2級2人となっている。
 取り扱い銘柄はヤンマーが85%で、このほか防除機が丸山、ロビン、籾すり機がサタケ、乾燥機が金子、播種機がスズテックなどとなっている。
メーカー展示会に参加
 次に、最近年次(16年1月〜12月)の決算についてみると、前年比ほぼ横這いで、整備部門の占める割合は8%である。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、市内の処理業者に持ち込む。廃バッテリーは業者が無料で引き取りに来る。
 次に、経営理念についてお聞きすると、お客様にはいつも丁寧に対応することをあげられた。
 温厚誠実な社長の人柄もあり、サブ店四社を含め加藤グループを形成し堅実経営に努めている。
 次に、経営の特色であるが、第一にお客様のニーズに柔軟に対応することがあげられる。
 当社では、お客様との人間関係を十分に構築しており、大型機が欲しいお客様はすぐわかる。駐車場が狭いことから、メーカーの展示会に積極的に参加する。2月はヤンマー農機関東千葉事務所(東金市)、11月はヤンマー農機・関東流通センター(茨城県関城町)で開催される展示会に加藤コーナーを設け、拡販に努めている。
 第二には、他店で購入した商品も出来る限り丁寧に説明、修理、整備にも対応している。
 当地では、大型のホームセンターが多く、中には、箱ごと持参するお客様もいる。草刈機やチェンソーで、燃料が入っていなかったり、刈刃を逆さまに取り付けたりすると大変危険である。丁寧に対応することにより、ひいては当社で購入していただけることにつながる。
穏やかに上昇する
 次に、今年を振り返っての感想をお伺いすると、コンバインの動きが悪かった。米価が安いことと、湿田地帯という悪い条件の中で、台風11号により倒伏したこと、さらに印西市の販売店(8月に倒産)が極端な安売りをしたなどの影響である。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、農家が高齢化する中で、農機がなければ農作業は出来ず、農機需要の絶対量は減少しない。
 農家が二極分化する中で、当社の平均的ユーザーである八反農家は、委託に依存すると刈りたい時に刈れず、きめ細かい作業が出来ない。委託に出していても、適期適作のため、自分で刈り取ることもある。
 都市化の中、裕福な農家が多いが、今後、団塊世代の退職後のホビー農家という新しい需要が増える。
 米を主体としている中で、販売方法や取扱商品を変化対応し、新しい需要を取り込んでいけば、穏やかに上昇すると締めくくられた。



全農機商報:平成17年10月号掲載