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愛甲郡愛川町中津739
取材当日の1月23三日の早朝、小雪の混じる横浜市の商協事務所で田中事務局長と合流し、車で現地に向かったが、途中から本降りとなった。
愛川町は、神奈川県中央北部に位置し、都心から50km圏内、横浜から30km圏内にあり、町の西部には丹沢山塊の東端に当たる仏果山を最高峰とする山並みが連なり、東南部は相模川と中津川にはさまれた標高百m前後の台地が広がる緑豊かな町である。
当社は、小田急小田原線本厚木駅から北へ10km程離れた中津小のそばに位置する。
当社の歴史をひもとくと、大正10年に現社長の祖父、太一氏が現在地から車で2分程の所で養蚕具を中心に開業したのが始まりである。
二代目のご尊父、登美氏は昭和23年に社長に就任され、32年には法人化、46年には現在地に移転、平成2年には倉庫を新設、3年には店舗を新設した。
登美氏は、組織に大変理解のある方で、平成10年9月には県商協理事長に就任されたが、12年7月急逝された。
現社長の洋一郎氏(昭和42年生まれ、36歳)は、大学を卒業後、クボタの内地留学制度を活用し、1年目はメーカー研修施設(堺、筑波、宇都宮)、2年目は信州クボタ(現長野クボタ)において研修を受けた後、店を手伝うようになった。
登美氏は、リーダーシップにあふれた方で、自ら組合事業に協力した。洋一郎氏は、温厚誠実な人柄で、先代の教えを守り、積極的に組合事業に協力しており、田中事務局長も大変助かっているとのことである。
テリトリーとしては、愛川町、厚木市北部、相模原市中部、津久井郡津久井町及び城山町である。
テリトリー内の農業事情は、米(コシヒカリ、キヌヒカリ、祭り晴れ、もち米)、野菜(キャベツ、レタス、大根、ほうれん草)などで、先述したように相模川と中津川に挟まれ水が大変おいしいことに加え品種改良などにより、おいしい米が取れる。野菜については、近県から市場に流入してくることから、直売所に出す農家が多い。
顧客数は700戸で、耕地面積については、大は4・5ha、小は6a、平均すると20aとなっている。専業は3%で、ホビー農家が多い。
次に、当社の概要に触れてみよう。
敷地面積は2403平方mで、うち中型整備施設72・9平方m、ショールーム147平方m、事務所12平方m、製品倉庫413平方m、部品庫10平方mなどとなっている。
社長を除く従業員は3人で、男女別では男1人、女2人、職種別では事務2人、セールス兼整備1人となっている。
農業機械整備技能士の資格者は1級2人となっている。
次に、車両関係では軽トラック2台、2t車1台、乗用車2台を有している。
取り扱い銘柄は、トラクター、バインダー、コンバインはクボタ、田植機はクボタとみのる、ティラーはクボタとロビン、耕うん機と防除機はロビン、もみすり機はオータケ、乾燥機はサタケなどとなっている。クボタの取り扱い割合は約6割である。
事務機器については、パソコン、ファックス及びコピーが1台ずつで、パソコンは顧客管理と部品検索に使用している。
次に、最近時(14年2月期)の決算をみると、前年比124%となっている。農機売り上げに占める整備部門割合(部品代を除く)は5%となっている。
次に使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、農家から買い取りまたは下取りした機械で再販できないものは、相模原の処理業者に有料で引き取ってもらう。現在のところ、お金を支払えば全て引き取ってもらえるので特に困っていない。
次に、経営理念についてお聞きすると、迅速修理、要望に対応し顧客満足度(CS)を高める。
当社の顧客は兼業農家が多く、土日の時間が貴重である。限られた時間の中で機械が動くよう、電話がかかってきたらすくに対応する。当用期には部品を揃え、迅速に対応し、顧客満足度を高める。
次に、企業経営の特色についてお伺いすると、お客様が来店しやすい店作りをあげられた。いわゆる店頭販売である。
これは、先代からの考えで、当社のように人数の少ない店で訪問販売を行うとコストがかかりすぎる。在庫を充実させてお客様に見ていただき販売につなげる。お客様が小物を買いに来た時、実物をみていただき、次回に買っていただく。お客様はホビー農家が多く、来店した時にわかりやすく説明する。
全農機商連が主催した連合会研修会やメーカーが主催した研修会における船井総研の講師の話が大変参考になった。
写真の通り、ガラス張りのショールームは店外からも目立ち、新規客の来店につながる。店内の商品には全て値段が付けられている。店舗、整備工場は掃除をかかさない。社長は、デパートに行った時に、ライトに目がいく。照明の仕方でいいところはどんどん取り入れていきたいと言われる。
次に、昨年を振り返っての感想をお聞きすると、固定客は安定し、他店からの買い換えも順調で全体としては堅調であった。しかし、トラクターは伸びたものの、不景気などの影響で来店客が減り、ホビー農家向けの小型管理機は減少した。
最後に、今後の予測についてお伺いすると、業界は厳しくなり、先行き不透明である。メーカーは、新型を投入しやすくするため在庫を半分に減らしたが、店として、どのようなタイミングで仕入れを行うか判断が難しい。
しかし、他の業界でも言えることであるが、景気が悪いと評判の良い店にお客様が集まる。
厳しい時こそ、修理を地道に行うなど今までのお客様を大切にし顧客満足度を高めていく。さらに、今期は新たに人を採用し厳しい時代を乗り切っていきたいと締めくくられた。
全農機商報:平成15年2月号掲載
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