富山県小矢部市平桜6208
TEL0766-69-8221
小矢部市は、東京から上越新幹線と特急で約4時間、富山県の西方で石川県に接した位置にあり、人口3万5000人で、主な産業は農業とアルミ産業である。
市の真ん中にJR北陸線が東西に走っており、中央に石動駅があるほか、北陸自動車道や東海北陸自動車道などの道路事情もよく、「メルヘンの街おやべ」を訪れるのに便利である。
小矢部市は散居村で有名であるが、市内には、稲葉山・宮島峡県定公園、からくり県定公園や史跡「桜町遺跡」などの観光スポットがあるほか小・中学校をはじめとする公共施設は、ヨーロッパの有名な建築物に似せたメルヘンチックな造りとなっており、それぞれの建築物をコースで探訪するのも楽しいところとなっている。
当社は、JR北陸線の石動駅から車で約10分程、北陸自動車道の小矢部I.Cからは5分程度の位置にあり、周囲は農家が多く、水田地帯となっている。
当社の創業は、現社長の父親である弘氏が、昭和38年に荒永農機店を開業したのが始まりで、昭和50年に法人化して現在の(株)荒永農機となっている。
現社長の悦雄氏は、昭和25年生まれの49歳で、昭和46年に短大を卒業すると、高知県のスズエ農機店で2年間働きながら技術・知識を習得している。
その後、昭和48年から家業を継ぎ、昭和51年に社長に就任した。
当社の現況は、資本金1000万円、従業員は社長を含めて5人である。
男女別には、男子3人、女子2人となっており、事務2人、セールス1人、整備部門に1級技能士の有資格者2人が配置されている。
勤務時間は、原則として8時〜17時で、日曜休日制としているが、繁忙期には適宜変更することとしている。
このような中で、社長の悦雄氏は、全ての仕事をこなす必要があり、早朝から夜遅くまで働いているという。
当社の概要については、本社の敷地は1150平方メートル、延建物面積は450平方メートルで、建物の一階は事務室及び整備施設(大型、280平方メートル)、2階は部品庫と研修室となっている。
研修室では、「カルゲン米」の研修などが行われているという。
その他の設備などとしては、製品倉庫220平方メートル、部品庫88平方メートルがあり、車両では普通トラック2台、軽トラック1台を所有し、事務用機器類ではパーソナルコンピューター、ワープロ、ファックス、コピー機をそれぞれ一台所有している。
取扱銘柄については、トラクター、田植機、コンバインなどの主力機械はヤンマーと三菱で、防除機は丸山、乾燥機ともみすり機は大島、そのほかに新ダイワ、小松ゼノア、マキタ、共立などの製品となっている。
最近年次(9年6月〜10年5月期)の年商は、1億3000万円で、そのうち整備部門で約5割を売り上げているが、前年に比べて5%程度減少しているという。
その後の状況については、さらに20%は減少しているというが、その主な理由としては、近年のアルミ産業の不況で農外収入が減少したことが大きいこと、集落営農組織化を見越し、個別農家が農作業の委託などを考慮して買い控えていることなどをあげている。
また、系統が設置したCE、RCの利用率が低い場合にはその利用率を引き上げることを理由に、個別農家が乾燥機を導入しようとしても抑制されることがあり、これも影響し、乾燥機の売り上げが激減しているともいう。
テリトリーは、小矢部市を始め、砺波市、福岡町、福野町で、いずれもコシヒカリを中心とした米作地帯となっており、特色的なことは、福野町で米、麦、大豆の種子生産が行われていることがあげられる。
農業の状況は、アルミ産業が発展していることなどから第二種兼業農家がほとんどであり、富山県内で集落営農組合が一番多いところとなっている。
耕地は平坦な水田がほとんどであり、畑地、樹園地は少ない。
従って、農業生産は米が中心であるが、その他には、鶏卵、切り花などの生産がみられる。
一部に鯉の養殖も行われており、年間450トン程が生産されている。
顧客数については、かつては800戸程であったものが、集落営農組合の組織化により第二種兼業農家の農業離れなどもあって、現在では500戸程に減少している。
また、それらの農家の経営耕地規模は、大は3ヘクタール、小は50アールで、平均は1ヘクタールとなっている。
次に、経営理念と経営方針についてお聞きしたところ、「尊客愛品」の精神で経営を行っているとのことであった。
「尊客愛品」の精神は、社長悦雄氏が最初に入社したスズエ農機店から引き継いできたもので、お客様を大切にすること、自信の持てる製品だけをおすすめすることに努め、細くとも長いおつきあいをしていくことが必要であると話された。
また、当初は顧客サービスのためと考えて設置した精米機も、一般の人の利用が増加しているというように、誰をも大切にしていることが伺える。
さらに、今年を振り返っての感想を伺ったところ、直ちに「厳しい」の一言が返ってきた。
先にも書いたように、売り上げの20%減少、集落営農の進展やアルミ産業の不況などからくる農家の買い控えといったことが、実感として伝わってくる言葉である。
また、今後の予測についても、農機具の売り上げは減少するとみており、「厳しい」の言葉以外に話すことも見つからないと結んだ。
そこで、このような厳しい時代であるけれど、何とか乗り切っていただきたいものと願ってインタビューを終えた。
全農機商報:平成11年7月号掲載
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