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1.農業機械の整備工場の認定
整備工場の設備充実への努力 seibi.jpg
 農作業の安全と農業機械の効率利用を進めるためには、農業機械ディーラとして、整備工場の充実と整備技術の向上が重要になります。 そこで農林水産省は整備工場の充実のために基準(農業機械整備施設設置基準という)を定めていますが、その内容は、
  1. 小型農機の整備を主に行う施設(小型施設)
  2. 中型農機の整備を主に行う施設(中型施設)
  3. 大型農機の整備を主に行う施設(大型施設)
の3種類に整備工場を分類し、それぞれに必要な施設基準(従業員・屋内作業場・車両置場・機械設備・移動整備車)と、管理基準(整備関係事務事項・整備技術事項・施設及び労務管理事項)となっています。

nintei_k.jpg  農業機械ディーラの整備工場は、この基準に基づき、都道府県知事の認定(承認)を受け、社会的に信用される認定整備工場になります。 なお、基準に適合しない非認定の整備工場も存在しています。

 農機整備工場は、整備需要に見合う適正な設備投資が必要ですが、過剰な設備投資は避けるべきです。 そのため、小型・中型・大型と分類されていますが、農業機械ディーラと整備工場にはそれぞれの持ち味と特徴があるわけで、医療機関にたとえれば、1.日常 お世話になる地域診療所(ホームドクター)、2.特別なときにお世話になる専門病院、3.大学病院などの総合病院とそれぞれに社会的な必要性があるような ものです。 農機の利用者には小型・中型・大型にこだわらず、それぞれの良さがあることを理解し利用していただきたいものです。

農業機械整備施設の分類
分類呼 称内    容
小型
施設
小型機械
整備施設
小型機械の整備を主に行い、かつ、中・大型機械の分解を伴わない定期点検整備が可能な施設で、2の施設基準の小型施設の基準及び3の管理基準に適合するもの
中型
施設
中型機械
整備施設
中型機械の整備を主に行う施設で、2の施設基準の中型施設の基準及び3の管理基準に適合するもの
大型
施設
大型機械
整備施設
大型機械の整備を主に行い、かつ、中古農業機械の再生整備及び機能確認が可能な施設で、2の施設基準の大型施設の基準及び3の管理基準に適合するもの


2.農業機械整備技能士とは
整備従業員の技能向上への努力 ginosi.jpg  農業機械ディーラでは、認定整備工場としての設備の充実を図るとともに、「技能の国家検定制度」によって整備担当従業員の整備技能の向上を図っております。

 職業能力開発促進法に基づく133職種のなかの「農業機械整備技能士」は、昭和50年に国家検定が開始されてから、1級(上級)と2級(中級)合わせて 約4万6千名がその資格を取得しています。医師免許と異なり、技能士以外の者の農機整備の従業禁止の就業制限はありませんが、それぞれの職場において農機 整備技能士として高い評価を得ています。

 整備技能士による都道府県単位の技能士会の全国組織である「全国農業機械整備技能士会」は、技能士の技能レベルと社会的地位を向上させることに努めてお り、調査研究事業とともに所属会員のなかから「優良技能士」の表彰を行っています。さらにそのなかから現在は極めて少数ではありますが、卓越した農機整備 技能の保持者が選考され、「現代の名工」として国から表彰されています。

 農機整備技能士が医師免許と似通っている面は、いったんその資格を取得したら一生その資格を保持できることです。そのため、現役である限り新しい機械技術に対応できるように技能の習得に心がけています。

 近年、農業機械の分野は、大型化とともに自動制御化がますます進んでおり、エレクトロニクスと油圧工学の分野の技術の導入が著しく、それに対応して農業 機械の安全性の確保と効率的利用のため、より高度の整備修理技能が求められてきています。整備修理のプロとしての農機整備技能士が果たすべき役割はますま す大きくなっています。

3.国家検定へのチャレンジを
農業機械整備技能士を希望する方へ  技能検定は、労働大臣並びに都道府県知事の委任を受け、中央並びに都道府県の職 業能力開発協会が行っています。検定の受付けと試験実施の業務は、各都道府県職業能力開発協会で行っていますが、農業機械整備技能検定の受付けは、各都道 府県農業機械商業協同組合で支援していますので、必要な場合には照会して下さい。受検のためには、試験に対応する能力だけではなく、受検資格が厳密に規定 されていますので注意して下さい。

 技能検定は、実技試験と学科試験によって行われます。学科試験には専門である農業機械はもとより、材料・機械要素・製図・農業一般・関連基礎知識・安全衛生と、専門に関する深い知識と専門に伴う幅広い知識が求められます。  実技試験は、作業試験とペーパーテストによって行われています。作業試験は、農用トラクタの点検整備、電気系統・油圧系統の点検などの実際について行われ、ペーパーテストは、電気溶接など実技試験の実施が困難な内容のものについて行われます。

 農機販売整備に従事している受検者、とくに年配の受検者は、一般に実技試験は比較的容易でありますが、学科試験は不得手であるといわれています。実技試 験と学科試験は、一度の受検でなくとも、年次を分けてそれぞれを順次に受検することも可能ですので、技能検定へのチャレンジは計画的に続けてほしいもので す。

 農機整備技能検定の受検者のための参考図書として「受検の手引」と「学科試験例題集」の利用をお奨めします。入手については各都道府県農業機械商業協同組合に照会して下さい。

 平成18年度の技能検定の実施日程は、次のようになっています。



平成18年度技能検定日程
項  目期  日備  考
各都道府県実施公示平成18年 9月 1日(金) 
受検申請受付   〃  9月25日(月)から
   〃 10月 6日(金)まで
 
実技
試験
問題公表   〃 11月17日(金) 
実施   〃 11月24日(金)から
平成19年 2月18日(日)まで
この間で各都道府県が定めた日に実施
学科試験・実技
ペーパーテスト
   〃  2月 4日(日)全国一斉に各都道府県を会場に実施
合格発表   〃  3月13日(火) 


技能検定については、中央職業能力開発協会のHPを参照して下さい。
http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html

4.整備施設と整備技能士の評価
海外技術協力でも期待は大きく
農作業安全と機械の効率利用を進めるために、農業機械ディーラは、知事認定による農機整備工場の整備と、国家検定による農機整備技能士の充実に努力してき ています。農機の販売だけではなく、農機整備のために「モノ(設備)」と「ヒト(従事者)」の社会的な整備を進めてきているといえます。

 認定整備工場の社会的評価と農機技能士の社会的地位について、今後とも充実と向上に努力を続けるよう望まれていますが、実は、海外技術協力の面では、以前から高く評価されています。

 開発途上国援助(ODA)の農業機械の整備修理施設設置事業では、計画段階から農業機械整備施設設置基準の「小型施設」のなかの施設基準が参考にされ、とくに機械設備の内容が貴重な参考にされています。

 「その国と、自分を育てる、2年間」のキャッチフレーズの青年海外協力隊は、意欲ある若者や学生に人気が高くなっていますが、その隊員募集では農業機械 整備の職種は派遣要請の重要度が高い場合が多く見受けられます。そのため、隊員希望者が技能習得の目標としているのが農業機械整備技能士の受検です。協力 隊隊員募集試験のときも、また実際に派遣国での協力実務においても、農機整備技能士の資格は高く評価されているといわれます。また開発途上国で非政府組織 (NGO)や非営利組織(NPO)によってボランティア活動を行う農業関係者においても、農機整備技能士は高く評価され、農機整備技能士は歓迎されていま す。