茨城県竜ヶ崎市上町2915-3
上野駅からJR常磐線で50分、佐貫駅で関東鉄道(1両編成)に乗り換え10分で龍ヶ崎駅に到着する。
龍ヶ崎市は、茨城県南部に位置し、温暖な気候に恵まれ、基盤整備が進んだ南部沖積地に広がる水田地帯と北部稲敷台地上の普通畑・樹園地からなる豊かな農業地域である。
当社は、龍ヶ崎駅から800メートル程離れた所に位置する。
当社の歴史をひもとくと、社長の祖父、善太郎氏が明治初期に現在地に開業したのが始まりであるので、創業百余年の老舗である。当時は、鍬、まんのう、ろくろ(綿の糸取り機)の製造・販売を行っていた。
昭和24年には若井製作所株式会社として法人化するとともに、御尊父、宗一氏が2代目社長に就任された。
昭和初期から34年までは、足踏み式むしろ織り機を製造し、若井式製莚機として販売したが、作っても作っても間に合わず、農家が馬車で取りに来て店の前で並んで待っていた。製造工場には旋盤30台を置き、脱穀機、もみすり機、精米機を製造していたが、終戦後2・3年で中止した。
現社長の毅氏(60歳)は、昭和38年に、また、弟の専務、敏明氏(58歳)は昭和40年にそれぞれ大学を卒業されると同時に店を手伝うようになった。
昭和44年には、若井農機株式会社に社名を変更し、56年に新社屋を建て、平成四年には社名を若井株式会社に変更した。
平成11年に宗一氏が死亡され、毅氏が社長に就任され現在に至っている。
テリトリーは、龍ヶ崎市、新利根町、河内町、利根町、三浦村、牛久市、茎崎町となっており、米(コシヒカリ)が主体である。4・5年前からミルキークイーンを栽培する農家があったが、価格が下がったことから止める農家が出てきた。このほか、ねぎ、さつまいも、にんじん、さといも、すいか、落花生などを生産している。
顧客数は1000戸で、耕地面積は大が3ヘクタール、小は1ヘクタール、平均すると1・7ヘクタールで、ほとんどが兼業農家である。
次に、当社の概要に触れてみよう。
本社敷地面積は1419平方メートルで、内訳はショールーム50平方メートル、部品庫50平方メートル、大型整備施設900平方メートルなどとなっている。このほか本社のそばに495平方メートルの倉庫が2棟、1キロほど離れた野原町に中古農機展示場と倉庫1485平方メートルがある。
社長を除く従業員は9人で、男女別では男7人、女2人、職種別では事務2人、セールス2人、整備5人となっている。 農業機械整備技能士の資格者は1級3人となっている。
次に車両関係では、軽トラック5台、1トン車2台、1・5トン車2台、フロントローダー2トン車1台を有している。
取扱銘柄は、トラクターがヤンマー、クボタと井関、ティラーがロビンと本田、田植機がヤンマー、井関とクボタ、防除機が共立、ロビンと丸山、コンバインがヤンマーとクボタ、乾燥機が静岡とサタケ、もみすり機がサタケ、その他松山などと多様であり、割合でみると、クボタが40%、ヤンマーが30%、その他30%となっている。
事務機器については、パソコン1台、ワープロ1台、ファックス1台となっており、パソコンは請求書の発行に利用している。
次に、当社の最近時の決算をみると、12年4月から13年3月期で3億円(前年比105%)、うち整備売り上げは1800万円(6%)となっている。
次に、中古農業機械のスクラップ処理についてお伺いすると、谷田部の処理業者が2トン車1台当たり5000円で引き取ってくれるので特に困っていない。
次に、経営理念についてお聞きすると、平成4年に商品を幅広く扱うため、社名から農機を取り若井に変更したが、この時、社長と専務が相談し、新しいロゴと経営理念を作った。
1.農業機械・生活関連商品及びレジャー関連商品の販売を通してお客さまの生活に貢献します。
2.技術力とアフターケアでお客さまの問題解決を応援します。
3.地域社会の繁栄に貢献し、企業の社会的責務を果たします。
生活関連商品とは、生ごみ処理機(静岡のエコロンポ)、電動三輪車(本田のモンパル)、保冷庫などであり、レジャー関連商品とはゴルフ場関連のグリーンマシンである。
また、専務の名刺の裏には、「お客様の立場になって、より幅広く、より奥深く……考えていきたい。新しいイメージで。新しいチャレンジを」と刷り込まれている。
ロゴは、若井のWを割ってデフォルメしたもので、末広がりと一つひとつの積み重ねを表し、上部にゆめ(将来)、動力(機械)の文字が入っている。
次に、企業経営の特色についてお伺いすると、第1にはスピーディな対応をあげられた。
当社では、20年前から全ての車両に無線を取り付け、ユーザーからの修理・整備の依頼に迅速に対応している。
第2には、相手の立場にたってアドバイスするよう心がけている。
機械が壊れるとすぐに新品を売る販売店もあるが、当社では、徹底して修理を行う。あくまでも修理がメインであり、ユーザーが納得すれば新品を購入してもらう。従業員にはノルマを設けず、ユーザーの耕作面積に合わせた売り方を推進している。
第3には、前述の通り、当社では、技術力とアフターケアには自信を持っており、農閑期にはトラクターとコンバインの定期点検整備を行っている。また、メーカーの技術講習会には積極的に参加し、技術力の向上を図っている。
テリトリー内にはホームセンターが多く競合が激しいが、購入先を問わず修理を行っている。
次に、過去1年間を振り返っての感想をお聞きしたところ、11年は悪かったが、12年、今年と前年比5%位伸びている。1ヘクタール前後の兼業農家が高齢化し、従来の歩行型から小型の4条田植機(シンプル農機)への買い替え需要や米袋用リフターが売れた。
最後に、今後の予測についてお伺いすると、専務は5年間は変わらない。農家は土地を手放さず、農作業を委託している。集落に一つのミニライスセンターが出来れば対応出来る。機械屋は機械がある限り衰退することはない。無理、ムラ、無駄を省けば継続出来る。
社長は、米価が低迷するなど明るい材料はないが、食べることはなくならない。農家戸数は減少し二極化する。当社では小規模農家を対象に生活関連商品を販売する。部品供給サービス体制を整えるなど他店との差別化を図り、厳しい状況を乗り切って行きたいと締めくくられた。
全農機商報:平成11年10月号掲載
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