鈴木農機株式会社
全拠点地域 NO.1を目指す

岩手県紫波群矢巾町流通センター南3-10-18


創業百年の歴史
 当社は、明治29年に盛岡は北上川の畔において、初代の鈴木嘉エ門氏が刃物のほかに農機具の製造・販売を行うこととしたところから歴史が始まっているので、すでに105年が経過していることになる。
 当時はといえば、牛や馬を使って農作業をしていたので、主に木製のプラウで、スキの先端に摩耗防止やスキ込みを良くするための鉄をはめ込んだ程度と思われるが、当社では明治38年には「鈴木式馬耕機」を製造・販売している。そして同40年には店名も鈴木農具製作所とし、現在の社名につなぐ礎になった。大正15年には鈴木嘉兵衛氏が2代目となった。その後、戦時下においては、国の施策に沿って、東北畑作農機株式会社と企業合同したものの、終戦とともに同社を解散して、鈴木農機具製作所として再出発しており、昭和23年には、鈴木嘉一氏が3代目をついでいる。
 その翌年には、農機全般の販売部門を設けるとともに、山岡内燃機関株式会社(現在のヤンマーディーゼル株式会社)の特約店となり、昭和36年のヤンマー農機株式会社の特約店へと変遷し、現在に至る。一時、昭和27年から41年までの間、井関農機株式会社の特約店にもなっていた。
 昭和30年には鈴木嘉一氏を初代社長とする鈴木農機株式会社に衣替えし、昭和37年第2代の鈴木稔社長、そして昭和52年に現在の第3代鈴木綜子社長へと飛躍することになる。




拠点づくりで事業の拡大
 当社は盛岡に店を構える頃から支店づくりを始めている。昭和28年の遠野支店を最初にして、翌年には平館支店、そして47年までに次々と毎年のように久慈市店、石鳥谷営業所、雫石営業所、玉山営業所、紫波営業所、葛巻営業所、沼宮内営業所と拠点を広げ、事業を拡大してきた。
 そして49年には、盛岡から車で20分ほどの紫波郡矢巾町に造成された卸流通団地(矢巾町流通センター)の一角に本社を新築移転し、総合管理部門の設置と農業機械のストックヤードとした。今では組立整備のサービスセンターと盛岡市店も本社近くの流通センターに設置されている。
 ちなみに、資本金は会社設立当初の150万円から1000万円に拡大されており、本社は敷地2500平方メートル、建物2000平方メートル、従業員81人でセールスに34人、整備に26人を配置。また、支店、営業所の所在する岩手県北をテリトリーにするまでに事業を拡大している。


農業事情に合わせた営業
 当社のテリトリーは、主として盛岡市を中心とした水田地帯と、北部の畑作地帯、そして葛巻町のように酪農地帯となっており、これに合わせて支店、営業所の体制を整えている。葛巻営業所は酪農関係の機械を専属に扱うといったような具合である。
 また、顧客の数も1万7000戸強を数え、年間で約23億円を売り上げている。
 当社では、セールスを34人と他に比べて多く配置しているところから、農機部門の売り上げの九割は販売実績となっており、整備部門の売り上げは1割弱である。なお、取り扱っている銘柄は、トラクター、田植機、コンバイン等の農業機械の主体はヤンマーで、他には、乾燥機が静岡製機、もみすり機がサタケ等となっている。
 整備施設については、大が2、中が6、小が2の計10施設で、1級整備技能士が7人、2級整備技能士が5人、自動車整備2級が1人配置されている。そして、冬期間の労働力調整のため、農家から農機具の点検・整備を受けることにしている。
 労働に関しては、変形労働時間制を採用して週四十時間制実現への対応に努めており、休日は年間107日になっている。


新幹線型へと経営転換を図る。
 当社の経営理念や経営方針をお聞きすると、「大地の鼓動を聞いたときから農業の未来を探し求めてきた。そしてこれからも、信頼できるスタッフと万全なネットワークで安心ある21世紀のために、業績志向型の経営に徹しつつ、お客様を大切にする共同体的企業づくりを目指す。」ということであった。
また、経営の方針としては、
  1. 機関車型から新幹線型へと経営転換を図る。
  2. 商品開発を積極的に行い、取扱量を増やす。
  3. 営業活動のスタンダード化を図る。
こととしており、時代という風を感じながら、限りない技術への追求を続ける方針であると伺った。


当用に期待する時代は終わった
 当社の業績について、今年1年(平成12年)を振り返ってみていただいたところでは、春期から9月までは、ほぼ計画に見合った売れ行きできたが、その後は、秋作業が例年より10日ほど早く終わったのが影響して、総体的には前年を割り込むといった状況にある。とのことであった。
当社は、業界全体が大きく落ち込んだ平成10年も落ち込まずに維持してきているところから、今年のような状況は、従来とは異なるところがあるものとし、これを分析して、次年度以降の対応に生かそうとしている。
 その視点の一つは、米の生産調整である。農家は稲作面積の縮小に伴い、面積に合わせた農機を選択・導入するように変化してきている。今年の売れ行きからしても、従前と売り上げ台数は変わっていないのに、売れ筋は小型化している。農家のニーズに適切に対応していくことが必要である。
 二つは、気候である。今年が異常年というのではなくなったのではないか。通年して気候が変動してしまっているのではないかと見ている点であろう。これまでは季節的な当用に期待してきたが、年間を通じて受注していくという意識が大事ではないか。
 このように、時代の流れを十分に感じながら、次のような経営目標に向かって歴史を積み重ねていこうとしている。
  1. 全拠点地域NO1を目指す。
  2. 顧客満足度NO1になる。
  3. 整備体制NO1になる。
  4. 利益NO1になる。

 



全農機商報:平成12年11月号掲載