株式会社マルモト
協和精神(協力、強調、協約)を貫く
滋賀県米原市長岡1181-1
昭和22年に創業
株式会社マルモト
当社は、湖北、湖東地域にあり、昔から交通の要所で、車で10分で岐阜県である。東海道本線の近江長岡駅から徒歩5分の山東庁舎横に本店があり、近くにヤンマー製造工場、日本百名山の伊吹山、天下分け目で有名な関ヶ原古戦場や姉川古戦場等旧所名跡の多い地域である。
創業は昭和22年で、先代の八郎氏が復員し農林業に従事していたが、手先が器用なことから農機具を販売したのが始まりである。31年には、LPガス販売設備事業部(ガス機器、灯油、電気機器)を立ち上げた。
48年に八郎氏が急逝した為、眞佐雄氏は大学の3回生で、税務署に勤労学生として届けを出し、卒業後、出光興産で8カ月程修行し大家族主義を学んだ。61年には、3本目の柱として、住設総合建築事業部(マルモト総合建築設計事務所)を立ち上げた。51年には法人化し(資本金1千万円、㈱丸本農機)、平成12年には社名を時代の流れ及び対応の変化の為㈱マルモトに変更した。
テリトリーは、米原市と長浜市の一部で、昔から交通の便が良く、東海道本線が走り、近くには大手企業の工場等がある。水田を中心に平均3反〜4反クラスが多い。25年前からJAカントリー、集落営農が進み離農が増えている。反面、15〜20年前からプロ農家、セミプロ農家が増えている。
顧客数は約450戸、大は15〜30ヘクタールで、営農組合関係14集落、セミプロ農家8軒である。
ヤンマーをメインに
丸本眞佐雄社長
本店の敷地面積は1478・96平方メートル、ショールーム73・71メートル、製品倉庫100平方メートル、事務所151・04平方メートル、部品庫214・2平方メートル、その他227・61平方メートル等となっている。
車で3分の所に整備センター450平方メートル(1階大型整備工場、2階トラクター、コンバイン、田植機等の展示、3階小物商品等の展示)、その他駐車場1500平方メートル、資材置き場1000平方メートルを所有している。
社長(役員)を除く従業員は男8人、女3人、パート4人の15人で、農機関係では、社長兼任を含む5人プラスパート1人である。
農業機械整備技能士の資格者は、1級2人、2級1人、この他自動車整備士1人である。
取り扱い銘柄は、ヤンマー中心で、その他マキタ沼津、日立建機ティエラ、金子農機、ニプロ、オーレック、タイガーカワシマ等である。
最近年次(21年12月期)の仮決算についてみると、農業機械、LPガス販売設備、総合建築設備とも前年並みである。使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、平成14年から準備して、16年にISOー14001を取得した。農機、LPG、建築設備を分別することにより、昨年のスクラップ処理代金は年間130万円の利益であったが、建築設備等はマニフェストを活用して廃棄物を処理した結果、100万円の支出となった。
できることは全社員で行う
ショールーム
企業経営の特色についてお伺いすると、現在、三つの事業部に分け営業しているが(協和精神)、第一に、本社事務所が同じであり(設計事務所は別)、全社員が専門分野でないがある程度の知識を有している。社長を含む専務、3人の事務員、代表電話も同じであり経費節減に繋がる。
第二には、農機社員も住設の応援をして、営業、契約、修理全てを共有するとともに、LPG関係の修理、納品も行う。建築部社員も簡単な管理機、2サイクル商品の知識を持ち、納品、試運転を行う等専門分野はあるものの、できる仕事は全社員で行う。
第三には、帳簿も三つの事業部別であるが、決算は同じである。
第四には、21世紀は、環境と食糧の世紀である。ISOー14001取得や県のエコフェスタに加入し、環境配慮商品の拡大に努めている。また、地域に密着した毎月一回の社会貢献の実施。ゴミ、カン、掃除、草刈り、県主催の年2回のゴミの日は全員参加している。(当社の建築部下請会社八社の自主参加)
第五には、農家に長く機械を使用してもらうため、いろいろな工具を使用したり(下取り機の部品分別等)技術力を高めている。又、当然PL保険、あんしん得々保険に加入している。
第六には、社員、パート、協力会社社員等に対する福利厚生の充実。テレビ付きのタタミ部屋、卓球台、マット、電動カート、マッサージ機、ロッカー、シャワールーム等。
第七には、昭和49年から現在まで継続している7月の総合展示会。春の内見会(35年継続)。2サイクル無料点検会(21年継続)。お客様感謝デーの実施、各メーカーの展示会の参加等年5回以上のアクションを起こしている。
目先を変える
整備工場
過去1年を振り返っての感想をお聞きすると、第一に、去年から今年にかけて、食料供給力向上緊急機械リース支援事業で大型機械が採択されたが、離農が一段と増えた。大型機械が使用しきれない営農組合が増えてきた。掃除からオイル交換、爪交換までホビー農家と同じく全てメンテナンスを販売店に任せる組合が百%近くになってきた。
第二には、継続できないセミプロ農家、営農組合等が徐々に増えてきて山間部は放置田が増えている。
第三には、いつまで他店、他社との競合をしているのか。当社は日常の行動はしているが、将来のために夜間推進までしていない。但し、ガス、電気、水道等ライフライン等や地震等に備え、社員順番に24時間対応している(義務付け)。ユーザーからの指名がある場合のみ夜間推進している。週休2日制、週40時間労働に対応できないと、我々の業界では社員の採用が厳しい。
第四には、未だに出張費等を正当に取っていない店がある。私から思うと、業界の七不思議の一つである。
トラクター、コンバイン、田植機の3機種は、台数は減ったものの大型化したため全体売上高は96%と前年並みであったが、利益率は下がった。出張修理、引き上げ持ち込み整備代は増加した。
農政に対しては、リース事業の補助金には賛成も反対もしないが、国の為にも農家の為にもいいとは思わない。今の農家は、補助金目的で減反を守るか、作る自由に売る自由の二つの選択肢がある中で、本当の農家と営農組合の為になっていない。
真の農家、営農組織の弱体化につながる→財政が厳しい折いつまで補助事業が続けられるか→田の放置=自然の破壊=自然の美化破壊。農作業関係手を抜く。化学肥料のみ。何回も除草剤を使用して安全、安心、うまい米を作る。
最後に、今後の予測についてお聞きすると、離農のためユーザーの減少は免れない。補助金対応でのプロ、セミプロ農家は殆ど生き残れない。営農組織は何とか無理して生き残れるが限界がある。補助金のみ目的→真の後継者が育たない→化学肥料中心→有機使用しない農家が多い→地力の悪化→手抜きの作業→百%崩壊した方が農業の立て直しが早い。
農機業界でも競合乱売が継続されている。一つでも何かの柱造りで目線を変えること、独自のカラーを出しユーザーに納得してもらうことがが一番大切なことである。