有限会社迫農機商店

地域社会に貢献する店

広島県東広島市豊栄町清武427

昭和55年に独立創業
迫真治社長
迫真治社長
 広島市の広島バスセンターから高速バスに乗り1時間半、終点の豊栄駅で迫真治社長に出迎えて頂き、300メートル程離れた店にお伺いした。
 豊栄町は東広島市の最北部に位置する。市の中心地である西条町は灘、伏見とともに酒どころとして知られている。
 ご尊父である叡氏は昭和33年に植永農機、42年から豊栄ヤンマーに勤めていたが、55年12月に独立し、現在地より300メートル程の地で創業した。
 真治氏は、大学卒業後、55年4月から広島ヤンマーで修行中であったが、創業時に当社に入社した。
 58年に法人化したが、61年4月に、叡社長が仕事中に心不全により55歳の若さで急逝したことから、真治氏が28歳の若さで二代社長に就任した。平成5年には現在地に移転した。
 真治社長は、現在、広島県商協副理事長と広島県ヤンマー会会長を務めている。
 テリトリーとしては、東広島市豊栄町、福富町、河内町、三原市大和町、三次市三和町で、米の単作地帯である。コシヒカリが最も多いが、アキロマン、ヒノヒカリ、中生新千本、夢の華を栽培している。
 顧客数は700戸で、耕地面積は、大は1・5ヘクタール、小は30アール、平均すると80アールとなっている。個人で高齢者が多く、専業割合は低いが、兼業農家が定年を過ぎて専業になることもある。



ヤンマーをメインに
有限会社迫農機商店本社
有限会社迫農機商店本社
 本社の敷地面積は、1200平方メートル、うち大型整備施設200平方メートル、ショールーム兼事務所130平方メートル、中古展示場100平方メートル、部品庫80平方メートル、洗車場50平方メートルなどで、このほか1キロ程離れた場所に180平方メートルの製品倉庫がある。
 社長を除く従業員は男3人、女1人で、職種別では事務1人、整備3人である。セールスは社長が行い、このほか男2人のアルバイトが整備を担当している。
 農業機械整備技能士の資格者は、2級2人である。
 取り扱い銘柄はヤンマーが7割で、このほか防除機が丸山と共立、乾燥機が山本などとなっている。
 最近年次(19年1〜12月期)の決算をみると、農業機械は前年比微減、ヘリコプター防除及びコントラクター(農作業請負)が10%増、合計で微増となっている。農業機械に占める整備部門割合は19・2%、中古農機割合は24%である。
 使用済み農業機械の処理については、処理業者が引き取りに来て、後日重量に応じて振り込んでくれる。


ヘリ防除と農作業請負
ショールーム
ショールーム
 当社では立派な経営理念を策定している。
一.会社のあるべき姿(目的使命)
  • 地域社会に貢献するために存在する。
     多様化する農家のニーズを満たすことのできるサービスを提供することにより、地域社会に対する情報の発信基地となることにより、地域社会でリーダー的存在となり活力ある町づくりを推進する。
  • 社員が豊かで夢のある人生を求める場所として存在する。
     社員一人一人の潜在能力を最大限に引き出し、充実した人生をおくってもらうことにより、地域の中においてその中心的存在となり、活躍する。

二.行動指針(全員がとるべき行動基準)
  • 情熱とロマンを持って行動する。
     見えない未来に向かって恐れをなすことなく、そしてどんな困難に遭遇しても諦めることなく。自分の力を信じて夢を実現するために、ほとばしる情熱とあふれるロマンを持ち、毎日を大切に生きるよう。
  • 仲間を大切に思う気持ちを忘れない。
     どんなに辛いときも自分は一人でもない。そこに仲間がいる。どんな時でも仲間を思いやる気持ちを忘れずに喜びも悲しみも皆で乗り越えて行く。
三.事業領域等の経営指針
  • 私たちの生業の基本は農業機械である。
     あくまで農業機械が事業の中心であり、どんなときもそこからスタートしなければならない。そのなかにおいて、農家の豊かで便利な生活を応援するために、生活関連商品や建設機械の販売を行うものである。基本は農業機械、しっかり足を地につけ、目先の損得にくらまない経営を行うことを何事に対してもの判断基準としたい。
 次に、経営の特色であるが、第一には、4年前から始めたヘリコプター防除があげられる。7月下旬から8月下旬まで、1回3600円、400ヘクタール程防除しており、新規客が増えている。
 第二には、5〜6年前から始めたコントラクター(農作業請負)があげられる。田植えは12〜13件、刈り取りは40件程引き受けている。使用した田植機とコンバインは1〜2年後に中古機として再販する。
 第三には、どこの店にも負けない技術力があげられる。当社では修理・整備がメインであり、農家がコンバインを使用後、12月までには整備が終了するようにしている。
 第四には、店頭販売型の店作りがあげられる。そのためにあえて裏通りに店を構え、高齢者が入りやすくしている。
 第五には、7〜8年前から田植機(5条)のレンタルを実施している。運賃込みで1日3万5000円で貸し出し、年間10件程の利用がある。
大規模農家とのタイアップ
整備工場
整備工場
 今年を振り返ってみると、農家戸数が減り高齢化が進んでいるので、購買力が落ちている。以前はトラクター、コンバインは300時間使用すれば更新したが、今は高くても修理に出したり、中古農機を要望する。中古機の金額が合わなければ農作業の委託を頼まれる。新品の動きは悪いが中古機は良く、また修理が忙しいので売り上げは落ちていない。
 農政に対する意見をお伺いすると、減反補助金は、面積よりも収穫に対して出した方が良い。
 最後に今後の予測についてお聞きすると、農機販売店がコントラクター(農作業請負)を実施することが増える。当社では、厚生労働省の助成金を受け、60歳以上の社員を活用して請け負い作業を実施している。
 大規模農家とのタイアップも大切である。ミニライスセンターの情報を与えたり仕事を作る。規模拡大を図りたい農家に対して情報を提供したりして、共存共栄を図る。いずれにしても国の基幹をなす農業がなくなることはない。

全農機商報:平成20年11月号掲載