|
|
埼玉県東松山市加美町11−18
4月25日、熊谷市の埼玉県商協事務所で小林事務局長と合流し、車で伊藤商会を訪問した。
東松山市は、埼玉県のほぼ中央に位置し、毎年11月に開催される日本最大のウォーキングの祭典「日本スリーデイマーチ」で知られている。
当社は、東武東上線東松山駅から北に2・5キロ、国道407号線から100メートル程西に入った所にある。
社長のご尊父である吉造氏は、大戦中、三沢基地で海軍航空隊の整備士の教官を務めていたが、復員後の20年10月、現在地で創業したのが始まりで、当時は農家向けのモーターなどを扱っていた。21年に吉造氏の弟である三郎氏と正二氏が戻ってきて本格的に始めるようになった。
30年に法人化するに当たり三郎氏が二代社長に就任した。
一久氏(59歳)は教員志望であったが、46年、吉造氏が市議会議員になったことから、大学を卒業後、入社し、58年、三代社長に就任した。
40年頃から管工事を始め、当社から独立した水道屋は11軒にのぼる。
平成17年3月に事務所、6月に整備工場を新築し現在に至っている。
一久社長は、埼玉県商協副理事長、東松山市商工会会長、東松山法人会副会長などを務めている。
テリトリーは、東松山市、熊谷市、吉見町、滑川町、嵐山町で、テリトリー内の農業事情は、自家米・縁故米(コシヒカリ、キヌヒカリ、アサノヒカリ)、いちご、梨、農産物直売所に出す大根、ばれいしょ、白菜、キャベツ、きゅうりなどである。
顧客数は2100戸で、耕地面積については、大は3ヘクタール、小は15アール、平均すると50アールとなっている。高齢化の進んでいる第二種兼業の小規模農業地域で、専業農家は3〜4軒である。
敷地面積は2630平方メートルで、うち中型整備施設168平方メートル、ショールーム68平方メートル、事務所116平方メートルなどで、このほか500メートル程離れた所に製品倉庫366平方メートルと資材置場がある。
社長を除く従業員は、男9人、女2人の計11人で、うち農機関係では男5人、女2人である。職種別ではセールス3人、整備2人、事務2人である。
農業機械整備技能士の資格者は、1級、2級とも2人ずつとなっている。
取り扱い銘柄は、三菱が6割で、このほかトラクター、耕うん機、田植機、コンバイン、バインダーがヤンマー、ティラーがマメトラ、防除機が共立、籾すり機がヤンマーと大竹、乾燥機が金子と山本、その他本田などとなっている。
次に、最近年次(17年3月〜18年2月期)の決算についてみると、農業機械関係前年比(以下同じ)103%、その他(管工事、建設機械)108%、合計104%であった。農業機械関係に占める整備部門割合は5・9%である。
次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、輸出向け業者に定期的に委託するほか、再販できないものについては、処理料を負担し産廃業者に引き取ってもらう。
次に、経営理念についてお聞きすると、
一.感謝・誠意・努力
一.事業を通して地域社会に貢献する
ことをあげられた。
仕事を頂けることに感謝し、誠意をもって対応する。従業員それぞれが工夫しながら努力する。事業を継続するには、地域の中にニーズがあり、地域に受け入れられることが大切である。
次に、企業経営の特色であるが、農家戸数の減少が続く中で、農業機械で培った技術を生かして、緑化関連機器などの分野の拡大に努めている。
東武東上線沿線で、緑化関連機器は商社が売り込むがメンテナンスができない。そこで、得意の整備技術を生かし、住宅公団の団地の管理組合や独立行政法人などに、芝刈り機、チェンソー、モアー、運搬車、ヘッジトリマーなどの売り込みを図る。また、展示会の案内状にカクイチの農用ハウスやガレージなどを盛り込んでいる。
次に、昨年を振り返っての感想をお伺いすると、大変厳しい状況であったが、ホビー農家向けのミニ耕うん機の拡販や緑化関連機器等の販売で前年を上回ることができた。
機種別には、トラクターは順調、田植機は前年並み、コンバインは若干落ち込んだ。米麦関係は苦戦し、籾すり機や乾燥機は、ライスセンターを利用する農家が増えたことから落ち込んだ。
今年に入ってからは、トラクターは前年の倍で推移している。これは、更新需要に当たったことと、70歳台の年輩の農家が、近所でキャビン付きトラクターを使っているのを見て、居住性、快適性、操作性などを考慮し、最後にキャビン付きトラクターに乗りたいと購入するからである。
田植機は前年を若干上回っており、耕作放棄地が多く、刈払機では間に合わないことから、ハンマーナイフモアーと乗用モアーが二カ月で前年の倍売れた。
最後に、今後の予測についてお聞きすると、農業離れが加速化する中で、経営目標などを明確にしデッドストック(不良在庫)をなくす。
現在、集落営農の動きが出ているが、当地では20年前、営農集団を作ったが、中心になって動く人がいなくて分解したことがある。また、元社員で20ヘクタールくらいまで規模拡大を図った農家があったが、倒れて亡くなった。骨を折る割に体が大変である。
農機販売店やJAのサービス拠点が減少する中で、元農家やホビー農家を取り込むことが大切である。価格は多少高くともいい機械のニーズは高いし、小物商品を大切にするなど社員一同団結して頑張っていきたい。
全農機商報:平成18年5月号掲載
|