埼玉農機株式会社
利益を生む強い企業に

埼玉県北葛飾郡杉戸町清地1-9-18


昭和初期に創業
五霞営業所  当社は埼玉県北葛飾郡杉戸町に本社をかまえているが、今回は主力拠点の茨城県猿島郡五霞町大字江川字大道三四五番地の五霞営業所をお訪ねした。
 五霞営業所は国道4号線の埼玉県と茨城県をつなぐ新利根川橋から五分ほどの所、県境の広大な水田地帯に在る。
 当社は現社長の祖父の加藤清一氏が戦前から営んでいた自転車店が現在の農業機械販売整備業の源となっている。
 農業関連の仕事を始められたのはご尊父の加藤寅雄氏で、復員後の昭和三十年代に入ってからのことである。
 その後まもなく法人化し、商号を有限会社加藤農機として本格的に農業と農業機械に関わっていくようになった。
 昭和三十六年に組織変更と商号変更を行い現在の埼玉農機株式会社となった。
 農業機械の普及の拡がりとともに当社の事業も順調に拡大したが、本社は市街地にあったため、整備施設等の拡充も難しいうえ、整備作業に伴う騒音、振動にも非常に気を使わなければならなかった。そこで、昭和四十年代に入って今回訪問した茨城県猿島郡五霞町に五霞営業所を開設し、整備施設を充実させた。
 現社長の行夫氏は昭和四十四年に大学を卒業され、ヤンマー学院七期生として学ばれた後に当社に入社され、平成二年に社長に就任された。
 現在は埼玉県商協の副理事長として組織活動にも尽力されている。
 テリトリーは主に埼玉県東部の杉戸町、春日部市、岩槻市、越谷市、久喜市、蓮田市、幸手市、加須市及び茨城県五霞町とその周辺地域で、顧客数は約二千五百戸である。
 顧客のほとんどは兼業農家であり、主な作物は米である。
 顧客の規模は50aから2.5haで平均すると1haである。
 これらの顧客に対し、本社と五霞営業所のほかに越谷営業所の三拠点でカバーしている
ヤンマーをメインに
 次に当社の概要について触れてみよう。  主力拠点の五霞営業所の敷地面積は約五千六百平方メートル、延建面積は約二千三百平方メートルである。
 整備施設は以前は特Aを受けていたが、改正基準に基づき、大型の認定を受ける予定である。
 社長を除く全従業員は二十七人で、男女別では男性が二十四人、女性が三人で、職種別ではセールスが十四人、整備が四人、事務が九人となっている。
製品倉庫  農業機械整備技能士の有資格者は一級、二級それぞれ二人ずつとなっている。
 次に車両関係は2tトラックが四台で、内訳はセフティーローダーが二台、簡易クレーン付と平ボディーが各一台、この他にセールス担当者が使用する1tトラックが十四台で、合計十八台を所有している。
 事務機器についてはヤンマーに直結した発注用端末二台、パソコン二台、ワープロ二台、ファックス三台、コピー機三台を所有しており、パソコンは経理をはじめ事務処理全般に利用している。
 取扱銘柄はトラクター、耕うん機、ティラー、田植機、コンバインがヤンマー、防除機がヤンマー、丸山、ロビン、乾燥機が大島、金子、もみすり機が大島、刈払い機がロビンとなっている。
見積書を活用して訪問
 テリトリー内の農家の多くが兼業農家であるため、当社の顧客もそのほとんどが兼業農家であり、平日の昼間に訪問しても留守の家が多いので、営業活動に非常に苦労しているとのことである。
 かといって夜の団らんの時間やせっかくの休日にアポイントメント無しで訪問すると顧客に迷惑をかけることになる。
 社長自身が夜間や休日に営業訪問をしていた際に、どこの家もまず部屋のかたずけに取り掛かるのを見て、このようなやり方ではお客様に精神的な負担をかけているのではないかと感じていた。
 そこで当社では思い切って原則として夜間や休日のアポイントメント無しでの訪問はしないようにした。
 その代わりの方法の一つとして、見積書を作成し、それぞれの顧客にマッチした提案を添えて郵便受けに投函するという営業スタイルに変更した。
 受け取った顧客が興味を持ったり、見積書の下取り額に不満を言ってくるなどの反応があった所が見込みのある客となる訳で、これ以降は会う機会も容易に設定できるようになる。
 基本は訪問しての商談であるが毎年三回、三月、七月と十一月に展示会を開催してお客様を招待している。展示会においては財布の紐を握る奥様にも足を運んでいただけるようノベルティーなどを工夫している。
地域No.1の企業に
 当社は、経営理念に「創業の気持ちで利益体質の会社を作る」ということを掲げている。
整備工場  ここでいう「創業の気持ち」とは、会社が大きくなって、それに伴い顧客の信頼を得ることができたが、これに驕ることなく努力しようという意味である。
 社員全員が自分の会社であるということを意識し、それによりコストにも関心を持ち、成果を上げようという姿勢で取り組んで欲しいという願いが込められている。
 具体的には、日常の業務において、社員はそれぞれの目標達成に向けて努力をする中で、売上高のみにとらわれることなく、利益に注意を払い、代金の回収まで意識を持って行動するということである。
 次に当社の直近の決算(平成十三年二月期)によると売上高が前年比で五%増加した。売上高のうち整備部門が占める割合は約五%である。
 増加の要因は、丸ハンドルのコンバインが好評だったことが挙げられた。また、これに伴い下取り機の販売も増加した。
 さらにもう一つの要因として業務の能率向上に努めたことを挙げられた。
 前述した見積書によるアプローチもその手段の一つである。
 市況が低迷する中で社員は苦労したが、その苦労と努力に対して社長賞などで報いるようにしている。
 経営者として事業を発展させなければならないという使命のなかで、社員の努力に報いること、社員の負担を軽減するためのより良い方法を日夜摸索している。
 最後に今後の目標について伺ったところ、社長は「完全無欠の地域?1」を目指すと述べられた。
 そのためにサービススタッフの増員を含めてサービス体制を強化し、お客様の信頼をより一層厚いものとしたい。理想としては、サービスを通じてセールス活動が不要になるくらいの信頼関係を築くことである。
 そしてその結果として「利益を上げられる体質の強い企業」にしていきたいと締めくくられた。


全農機商報:平成13年4月号掲載