高野農機株式会社

お客様に喜ばれる店作り

長野県上水内郡飯綱町大字普光寺970-3

昭和44年に創業

高野農機株式会社

長野駅で長野県商協・佐藤専務理事と合流、車で40分、信越本線・牟礼(むれ)駅から西に450メートル程にある高野農機を訪ねた。

飯綱町は長野県の北部に位置し、西・南は長野市、北は信濃町、東は中野市に接する。

取材は、茂樹社長と父である勇会長に対応していただいた。

勇氏(72歳)は、肥料販売店で営業をしていたが、昭和35年、片倉チッカリンの関係で東京の興国農機のティラーの販売担当となった。退職後、40年に中央工機産業のサブ店として三菱のトラクターを卸してもらった。44年に現在地で創業、ティラー、発動機、リヤカー、脱穀機などを扱っていた。平成2年に本塚に整備工場(牟礼工場)、7年に3階建ての事務所、11年頃、袖の山にミニライスセンターを建築した。

茂樹氏(45歳)は、学校卒業後、三菱農機に3年間研修生として勤め、昭和63年に店に戻り、平成20年に二代社長に就任した。

テリトリーは、飯綱町と信濃町で、標高500メートル位の中山間地であり、飛び地の多い水田など作業効率が悪い。米(コシヒカリ、あきたこまち)、りんご(富士、紅玉、津軽)の産地で、このほか桃、ぶどう、さくらんぼなどである。

顧客数は1000戸で、耕地面積は米では、大10ヘクタール、小10〜30アール、平均70アールである。果樹の大手は2ヘクタールである。専業農家割合は3%である。


三菱をメインに

整備工場

本社の敷地面積は330平方メートルで、うちショールーム兼製品倉庫兼事務所が200平方メートルである。牟礼工場は中型整備施設で1000平方メートル、ミニライスセンターは1000平方メートルである。

会長、社長を含む社員は男4人、女1人の計5人で、職種別には事務1人、セールス2人、整備2人である。農業機械整備技能士の資格者は、1級2人である。

取り扱い銘柄は三菱が5割で、このほか防除機がやまびこ、丸山、工進、籾すり機が大島、乾燥機が大島、山本、刈払機、乗用モアがやまびこなどとなっている。

19〜20年度の売り上げをみると、30馬力以上の大型トラクターが売れたこともあり良かった。22年2月期は、前年比微減であった。全体に占める整備部門割合は5%、中古農機割合は20%である。

使用済み農業機械の処理については、処理業者が引き取ってくれるが、タイヤ、ゴム製品については有料である。

PDNSを活用

ミニライスセンター

経営理念については、お客様に選ばれる店、お客様に好かれる店を挙げられた。つまり大切なお客様を大事にする顧客第一主義である。

当社では、迅速に顧客の情報を得て経営に活かすため、パソコンで顧客管理を行っている。

今年で31回目を迎える「三菱の輪を広げる会」は、会費制で農家の参加者を募り、バス2台で研修旅行を催している。取材中も何人ものお客様が来店したが、地域に密着し、農家が何時でも気軽に来店出来る店作りに努めている。

社長は、個人的な趣味の世界と言いつつPDNS情報ネットワークサービス(キミヤ)を活用している。

お客様から中古農機の要望を受け、PDNSで機械を探す。出展した機械の成約率は高いが、問い合わせの対応が大変である。中古農機の相場観を調べるためには有益である。機械を引き取りに来た県外の同業者と繋がりを持てることもメリットである。PDNSは現在584社の農機販売店が登録しているが、実際には特定の業者が使っていることが多いのではないか。

当地では、米の刈り取り後、天日干し(はざかけ)が多い。乾燥機は場所を取るし稼働率も低いことから、ミニライスセンターを建築した。七台の乾燥機を稼働させており、顧客は50件程である。

ニーズにきめ細かく対応

昨年は、食料供給力向上緊急機械リース事業が実施され、当社では遠赤外線乾燥機、クローラ型トラクター、高速代かき機など10件が採択された。

今年は前年並みに推移している。更新時期が来たことからコンバインが売れた。中山間地直接支払いの対象地域が多いことから、刈払機のまとめ買いで例年の三倍売れた。小型管理機は年間を通して売れている。中古トラクターの需要は多いが、ネットで探しても価格が合わないことがある。

当地では、小規模農家が多く、また転作にも向かないことから、戸別所得補償制度にはほとんど申請しない。世の中は不景気であるが、農家の所得が増えてもらわないと困る。農産物の価格安定も必要である。

毎年、農作業事故に係る死亡者が400人前後出るが、農作業安全運動の一環として、定期点検整備を制度化出来ないか。入札において、県知事認定農業機械整備施設と国家検定である農業機械整備技能士の有資格者を優遇して欲しい。

中山間地である当地では担い手が少なく、耕作放棄地が増えている。山の手入れをせず、熊や猪に田畑が荒らされることから、電機柵が売れる。

コントラクター(請負)の需要は年々高まるが、条件の悪いほ場は切り捨てられる。農機レンタルの需要も高い。農機具専門FC店で田植機を借りた農家は、返却時に来年の予約を入れる。台数が少なく特定の人しか使えない。当社でもコントラクターは実施しているが、時期が集中した時のオペレーターの確保が課題である。

米価が下がり農家も業界も大変な時代であるが、ミニライスセンターの稼働率を上げるなど、農家のニーズにきめ細かく対応していく。


全農機商報:平成22年10月号掲載