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長野県安曇野市豊科1827
10月20日、長野駅から長野県商協の窪田専務理事に案内していただき、車で1時間ほどのところの安曇野市豊科、?平林農機を訪問した。
旧、豊科町、穂高町、明科町、堀金村、三郷村から成る安曇野市は、長野県の中央部に位置し、松本市から電車で10〜30分のところにある。
北アルプス連峰の東に広がる「安曇野」と呼ばれる海抜500〜700メートルの概ね平坦な複合扇状地となっており、美しい自然と清冽な水に恵まれた田園のまちである。
当社は、JR大糸線の南豊科駅から500メートル程の国道147号線沿いにある。
国道の右前方に精米機や低温貯蔵庫の?細川製作所がある。
創業は昭和2年で、祖父の平林利雄氏は、農家の跡取りとして生まれ、農業従事者の苦労を間近で見てきており、少しでも楽になるようにと、南安曇郡烏川村(のちに堀金村、現在の安曇野市)で農具を売りはじめた。
取り扱い商品は、鎌、鍬、鋤などの農具と、荷車、自転車の他、建築の近代化に即して、セメント、スレートなどの建材であった。
二代目の武徳氏は、学業の傍ら家業を手伝っていたが、先代の死去に伴って28歳で社長に就任した。
現社長の克敏氏は、高校を卒業後、昭和35年4月、法人化を契機に社長に就任し、先代時代の業績不振を法人化と共に立て直すために奔走し、現在の会社にまで発展させた。
氏は、長野県商協の理事長と全農機商連の監事に就任しており、組合活動にも理解があり、本年2月には、長野県商協創立60周年記念事業を立派に取り仕切っている。
当社のテリトリーは、安曇野市全域、東筑摩郡、北安曇野郡、松本市、塩尻市の一部となっている。
市の農業は、米(コシヒカリが主体)が54%(産出額43%)、果樹(リンゴ、ブドウなど)が8%(同17%)、野菜(ばれいしょ、トマトなど)が3%(同15%)のほか大豆、そばなどとなっている。ワサビも有名である。
専業農家の割合は10%である。
当社の顧客数は1600戸で、経営耕地規模は、大は20ヘクタール(借地を含む)、小は3アール、平均1ヘクタールである。
本社の敷地面積は4000平方?、うち大型整備施設330平方メートル、製品倉庫40平方メートル、ショールーム100平方メートル、部品庫150平方メートル、中古展示場100平方メートル、事務所50平方メートルとなっているほか、本社以外の場所に2個所の倉庫330平方メートルを有している。
社長を除く従業員は、男5人、女3人で、セールスに4人、整備に5人があたっている。農業機械整備技能士の資格者は2級5人である。
取り扱い銘柄は、トラクター、コンバイン、田植機、ティラー、耕うん機、バインダー、もみすり機がヰセキで、この他に丸山の防除機、シバウラの除雪機、静岡の乾燥機を扱っている。
次に、15年12月〜16年11月期の決算状況は、近年ほぼ横這いの状況にあり、総売上高は4億3000万円で、農業機械整備に係る売り上げは、約2500万円である。
使用済み農業機械の処理については、農機本体、解体部品など、市内の専門の業者に委託して処理を行っている。廃オイルのみマニュフェストを利用している。
一部、コンバイン(3条以上)、トラクターを輸出業者にも販売(現金)している。
廃棄物では、発泡スチロール、ビニールは一定量まとまれば産廃業者が無料で、段ボールも業者が処理してくれる。
経営理念については、「やる気」「創造力」「人柄」を大事にすること。これがユーザーへのサービスにつながるように努める。と話す。
次に、企業経営の特徴について伺ったところ、お客様に「アフターサービスの良い平林」「すぐきてくれる平林」の印象を与え、信頼を得る。信頼を得ることこそ商売の基本であり、ユーザーへのサービスの徹底を大事にする。また、経営の目標を「顧客満足・シェア拡大」として、新規客・他社客に対する今以上の取組をしていきたいと話された。
今後、一層サービス面を強めるため、松本市に支店を展開したいとのことである。
今年を振り返っての感想をお聞きすると、米作中心の安曇野では、農林水産省の推進する集落営農が深刻な問題である。この問題の先行き・着地点が不明確なため、小規模農家の意欲の低下、農機への投資の減少を招き、上半期は大変に苦労した。
下半期は、社員一同で、悪循環を断ち切るべく取り組んだ結果、やや持ち直した。残る2カ月間で前年並みの実績確保を目指し、努力している。
最後に、今後の予測についてお聞きした。
社長は、今後とも農業を取り巻く環境は厳しいと思うが、そのような中にあっても希望をもって取り組んでいきたいと話される。
安心・安全な食は、生活の基本である。その食を担っている農業であるので、更に機械化が進み、発展こそすれ、無くなることはない。少しでも多くの農家が希望を持てる農業を提案できるように、自らも日々学び、切磋琢磨して販路拡大、売り上げ向上を目指す。
農家と密接な関係にあるわが業界は、農機具をきっかけとして、多種多様な商機があると考え、農業だけに固執することなく柔軟な経営をしていきたい。とのお話しであった。
全農機商報:平成18年11月号掲載
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