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熊本県下益城郡美里町佐俣503−1
5月9日、佐賀市で行われた佐賀県商協通常総会終了後、熊本市に入り、翌朝、帆足事務局長と合流し車で訪問した。
平成16年11月、中央町と砥用町が合併して誕生した美里町は、熊本県のほぼ中央に位置し、熊本市から南東へ約30キロ、農林業を中心とした自然豊かな地域である。
当社は、JR鹿児島本線の松橋駅から東へ約15キロ、国道218号線沿いにある。
上田社長は、学校を卒業後、昭和37年から40年まで城南町の農機販売店、45年からは甲佐町の農機販売店に勤めていたが、55年に独立、現在地で創業した業界では新しい店である。
以前勤務していた店がヤンマーを扱っていたことから、当社でもヤンマーを中心に扱っており、62年に法人化(資本金500万円)、平成4年、整備工場と製品倉庫を新設、7年には自宅を新築、1階を車庫、裏を作業場とし現在に至っている。
社長は、熊本県商協の理事、経済委員、城南支部副支部長を務めるなど組織に対する理解が深い。
テリトリーとしては、美里町、甲佐町のほか宇城市と八代市の一部である。後述するように当社では店頭販売を主としている関係で、距離的に遠方まで訪問することはない。
テリトリーは、典型的な中山間地で、丘陵地や傾斜地が多く、棚田が広がっている。米(ヒノヒカリ)、メロン、アスパラ、柿(渋柿、甘柿)などを栽培しているが、近年、中山間地への補助事業が厳しくなっている。
顧客数は1500戸で、耕地面積については、大は1ヘクタール、小は自家米にも足らない程で、平均すると20〜30アールである。専業割合は2%で、林業を営む人も多い。
敷地面積は1000平方メートルで、うち中型整備施設200平方メートル、ショールーム170平方メートル、製品倉庫兼中古展示場140平方メートル、部品庫50平方メートルなどとなっている。
社長を除く従業員は男2人、女2人(奥様のはつ子さんと長女の裕美さん)の計4人である。農業機械整備技能士の資格者は1級2人である。
取り扱い銘柄はヤンマーが3割で、このほか乾燥機が金子、その他ロビン、スチール、長府(ボイラー) 、工進、新ダイワなどを扱っている。
次に、最近年次(16年12月〜17年11月期)の決算についてみると、前年比で107%である。整備部門の売り上げ割合は4・3%である。
次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、1年に1回、処理業者が回収に来る。現在は鉄の価格が高いので、無料で引き取ってくれる。
次に、経営理念についてお伺いすると、一所懸命お客様に尽くすと言われる。
ショールームの壁にはヤンマーから贈られたお店の繁昌する五カ条が飾られている。
一.店内みんな仲よくせよ!
一.能率を良くせよ!
一.値段を守れ!
一.下取り品に注意せよ!
一.財産状態を常に明確にせよ!
事務所の壁には次の文言が飾られている。
「すすんでするのが人の上。まねしてするのが人の中。いわれてするのが人の下。いわれてせぬのが人の屑」
「五気で頑張るぞ
一.やる気
一.陽気
一.勇気
一.根気
一.元気」
次に、経営の特色であるが、店頭販売に力を入れていることがあげられる。
以前は夜間推進も当たり前であったが、平成8年に体を壊し、訪問販売に限界を感じたことから方向転換した。見込み客は、修理に行った時にリストアップしている。
お客様に来店していただくためには、店が片づいていなければならず、埃がつかないようガラスのショーケースを設置したり、チップソーの陳列棚を設けたり、整理整頓に努めている。
商品一品毎に価格表示をきちんとしている。これは裕美さんの手作りのPOPである。お客様には、買わないと価格を聞けないという心理があり、以前は価格表示をしないと帰るお客様が半分程いた。価格表示は信用を売ることである。
アフターサービスを万全にし、修理で迷惑をかけない代わりに来店していただく。ショールームの壁には、整備料金の価格ボードが掲示してある。
社長は出来るだけ在宅し、お客様が気楽に立ち寄れる店づくりに努めている。店頭販売では、誰が売っても同じことが大切であり、裕美さんが小物商品の説明や試運転を行うなど大きな戦力となっている。
展示会は毎年7月に開催しているが、案内状1500枚のほかに、新聞折り込みチラシ8000枚を配布し集客力を高めている。
次に、昨年から今年にかけての動きについてお聞きすると、中山間地の減反が増え農家の購買意欲が落ちる中、大型機械は減少したが、店頭販売が伸びたことから全体の売り上げは増加した。
今年に入り、集落営農の動きが出てきたことから、買い控え傾向が見られる。 先日、役所の説明会があったが、中山間地で4ヘクタール集積するには数部落が集まらなければならず、とてもまとまらないだろうと言うお客様もいる。
最後に、今後の予測についてお伺いすると、新品のトラクターやコンバインが売れる時代でもないし、中古までも買い控える厳しい時代である。
トラクター、コンバインは系列販売会社、それ以外の小物は一般店というように棲み分けをすれば良いというのが持論であるが、小物をきちんと見ていく店作りが必要で、今後も努力して精一杯生き残らないといけない。
全農機商報:平成18年6月号掲載
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