合資会社林農機具店
お客様との非常に強い信頼関係
神奈川県藤沢市藤沢2の1の18
昭和25年に法人化
合資会社林農機具店
藤沢市は、神奈川県の南部中央に位置し 片瀬、鵠沼、辻堂、村岡、藤沢、明治、善行、湘南大庭、六会、湘南台、遠藤、長後、御所見の十三地区からなる。
合資会社林農機具店は、小田急江ノ島線の藤沢本町駅から徒歩で約三分、国道四六七号線沿いに位置する。すぐ近くには、源義経を奉る由緒ある白旗神社や、国道一号線(藤沢バイパス)が通っている。白旗神社のお祭りの際は、お店総出でお手伝いをするそうだ。
昭和の初めに、神奈川県厚木市の柳田農蚕機商会からのれん分けして創業を開始、昭和二十五年七月一四日、創業者の林満美氏が、現在地で合資会社林農機具店として法人化した。
三男の建一氏は、当初電器店の方を継いでいたが、二代目社長で長男の満明氏の急逝によって、平成九年八月に急遽社長となられた。
現在、神奈川県商協の常務理事を務められている。 平成十三年からは、建一氏の長男幸司氏も加わり、後継者難で廃業する販売店が多い中で、将来が有望な店である。
テリトリーは、藤沢市、鎌倉市、茅ヶ崎市、横浜市、三浦市と比較的広域にわたっている。
藤沢市の農業は露地野菜と果樹がメインで、稲作は畑作の約半分以下となっている。
顧客の内訳は、稲作と露地野菜が主で、その割合は半々ぐらいである。規模は中・小規模農家が多く、平均しておおよそ五反前後、北部になると、もっと小規模で三〜四反ぐらいとなっている。
クボタをメインに
林建一社長
敷地面積は三百二十三平方㍍であり、ショールームと中型整備施設、製品倉庫を兼ねており、コンパクトにまとめられている。一角を事務所が占めている。
社長を除く従業員は男三人、女一人の計四人で、職種別にはセールスサービス三人、事務一人である。
農業機械整備技能士の資格者は、一級一人、二級一人となっている。
他に、国道を挟んで、家電を扱う電器店も経営しており、男性二人、女性一人となっている。
取り扱い銘柄は、トラクター、耕うん機、田植機、ティラー、バインダー、コンバインがクボタで、乾燥機、籾すり機が大島、サタケなど、防除機が共立、丸山などとなっている。
店頭在庫は小物類だけとしている。
ここ五〜六年は、管理機部門でクボタの優秀販売店表彰を受けている。
最近年次(二十年八月期)の決算について見ると、農業機械のみでは約九千七百万円で前年並みであった。売上割合は、新品六割、整備四割である。
本年に入ってからは、非常に厳しい状況が続いているとのことである。
初動は迅速に
ショールーム
経営理念についてお伺いすると、お客様からの一報が入ったら、とにかく待たせないように心掛けている。スタートは速やかに対応するようにしている。
農業機械を売る際には、お客様の要望をただ聞くだけではなく、そのお客様に合った機械の販売を推進するようにしている。
また、機械を売りっぱなしではなく、その後も出来る限り顔を出し、お客様から色々な情報、要望を聞くように心掛けている。
農繁期においては、お客様から呼び出しが無くとも、顔を見て回るように心掛けている。
全国の農機販売店にとって、高齢化、後継者難による廃業が一番の問題となっているが、後継者難で廃業する店が多い中、売上が伸びなくとも店を続けていけることは幸いである。
神奈川県商協の組合員でも、青年部に入っている店は活気があり、お店として勢いがある。
若い従業員がいると、お客様の若い農家も関心を寄せ、直接連絡してくれるようになる。
熱心な若い従業員や若い農家は、本音でぶつかりあうことも多く、熱い話し合いとなるが、このように本音でぶつかってくる若い農家達は、当店とのつきあいを大事にしてくれる。
お客様との信頼関係が非常に強く、激しい競争にさらされることはあまり無いが、この厳しい状況の中で、新規のお客様を見つけるのは大変難しくなっており、それだけに既存のお客様との信頼関係はとても大事にしていかなくてはならないと思う。
次に、農政に関する意見をお伺いすると、近辺では大規模化はあまりなじまない。小規模農家が多く、人を雇って農業を経営しているのは二、三件しかない。しかも、小規模という土地柄から、トラクターの年間の使用時間は非常に少なく、非常に長年使用される。
農家に対しては、補助金で支援していくような体制も必要ではないか。
また、系統だけでなく、商系も補助金に絡める機会がもっと欲しい。
お客様のために地道に
最後に、今後の予測についてお伺いすると、農家の高齢化と後継者難が一番の問題であるだろう。
野菜の価格が安すぎると思われる。食料供給力の強化が叫ばれるが、そのためたくさん野菜を作っても、売れなくては意味が無いのではないか。農家の所得を上げる政策を行わなければ、農業の後継者が出てこないのは当然ではないか。
農業法人などの参入が注目されるが、その半面で、農業を辞めていく人もたくさんいる。
このように全国的にみても非常に厳しい状況の中でも、この地区の農家の方に合わせた方法で、小さな店ながらもお客様のために地道に店を続けて行きたいと考えている。