|
|
鹿児島県南さつま市大浦町7470

5月22日の早朝、鹿児島市内のホテルから、有木学社長の車に同乗し約1時間半、お店を訪問した。
南さつま市は、薩摩半島の西岸にあり、平成17年11月、加世田市と川辺郡大浦町、坊津町、笠沙町、日置郡金峰町が合併し誕生した。
当社は、南さつま市大浦支所(旧大浦町役場)の前に位置し、北に2・5キロには東シナ海がある。
元々、大浦小の裏にある実家はお茶とポンカンの栽培に取り組んでいたり、集落にお茶の栽培を広めていたが、父である博氏(70歳)が知覧町で農機販売をしていた兄の手伝いをしたことから、昭和38年、実家において開業したのが始まりである。
当時は、足踏み脱穀機から動力脱穀機に移行する時期で、その後、動力脱穀機のモーターを利用して野菜を飼料化するカッターやチョッパーが出てきた。
40年、現在地に移転、激戦地だった事もあり昼は店で仕事、夜は営業活動に明け暮れた。55年頃、ヤンマーとの取引を開始した。
当地では、戦後まもなく干拓工事が始まり、博氏は、平成8年からは大浦干拓土地改良区理事長を務めた。8年には法人化した。
学氏(45歳)は、59年に東京の大学を卒業、3年間商社に勤め、62年に入社し、大学で知り合った由美さんと結婚、平成11年、二代社長に就任した。
テリトリー内の農業としては、大浦町では、水稲(コシヒカリ)、お茶、ポンカン、タンカン、加世田では、らっきょう、ねぎ、かぼちゃなどである。
顧客数は500戸で、耕地面積については、大は18ヘクタール、小は10アール、平均すると50〜60アールで、専業割合は1割強である。
敷地面積は、2280平方メートル、うち中型整備施設150平方メートル、ショールーム100平方メートル、製品倉庫315平方メートル、中古展示場590平方メートル、事務所24平方メートル等となっている。
社長を除く従業員は、男2人、女2人の計4人、職種別では事務2人、セールス1人、整備1人である。
農業機械整備技能士の資格者は1級2人となっている。
取り扱い銘柄はヤンマーが8割で、このほか乾燥機が山本、管理機がホンダ、刈払機、チェンソーが新ダイワ、カーツ、ゼノアなどとなっている。
最近年次の決算(18年10月期)では、農業機械が前年並み、水道工事が微減で、農業機械の売り上げに占める整備割合は10%強である。
次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、分別せずに地金業者が買い取ってくれる。
次に、経営理念についてお聞きすると、「選ばれる農機店になろう!」を常に考えている。
- 保守サービスのスピードUP
修理依頼の電話があればすぐにお客様の所に行く。
- 総合的な生産性向上提案力UP
ただ単に農機を売るのではなく、メーカーの応援を得ながら、種から収穫までの作業体系を一貫して提案、1年を通して農家と一緒に取り組む。
- 農作業支援サービスUP
『ポンカン』から『デコポン』に植え替えたり、お茶の品種を替えたりする時に、重機を貸し出し基盤整備の手伝いをする。
- 地域ブランド確立パートナー力UP
干拓土地改良区は海抜ゼロ?地帯であり、大雨時に排水できるようポンプを設置したりして、10年前から、米以外の作物が出来るよう汎用化事業を推進しており、3年前からかぼちゃの栽培を始めた。
加世田のかぼちゃは、県のブランド指定を受けており、品物が足りない程需要がある。20ヘクタールが同じ土質であり味にバラツキがないことから、東京の市場の評価も高い。
次に、企業経営の特色であるが、第一には、「地域密着」で農業を支え、夢ある地域づくりに貢献していることがあげられる。人間的なつながりだけでなく、お店として、仕組みとして、お客様に満足を与え、交流を拡げていく。
土地改良区、商工会、青年会議所、PTA、商協、団体、組織等に参加し情報を収集する。農業大学校で行われる中古農業機械整備・評価研修や農作業安全研修にも積極的に参加する。
第二には、ホームページによる情報発信があげられる。
現在でこそホームページを開設している農機販売店は多いが、社長はいずれインターネットでトラクターを売る時代が来るとして、平成12年に開設した。由美さんはパソコンに明るく現在もインストラクターを務めている。新品・中古農機情報だけでなく、大浦の情報などを掲載することにより、閲覧するだけで楽しくなってくれればよい。
中古農機は累計で100台以上売ったが、1件もクレームはない。全国に交流が拡がるし、いずれ購入先を1軒1軒訪問したい。遠隔地の送料は、フェリーを使い港止めにするのが安い。九州管内は、高速代とガソリン代を購入者負担で配送する。
ところで、由美さんは、2月6日、城山観光ホテルで開催された鹿児島県商工会女性部「商工女性の主張」大会で見事優勝し、6月26日、熊本県・菊地文化会館で開催される九州地区商工会女性部交流研修会に鹿児島県代表として参加する。
次に、過去1年を振り返っての感想をお伺いすると、予想以上に農家数の減少が進んだ。セールス活動も「年だから、跡継ぎがいないから」が現実となり、これまでのやり方が通じなくなってきた。
反面、プロ農家に土地の集約化が進み、大型機械が売れるようになった。
農業への異業種参入が進み、農家以外の建設業界などの企業が購入するようになった。団塊世代の管理機、中古トラクターの需要が伸びた。
最後に、今後の予測についてお聞きすると、地元に県農業開発センター、農業大学校が出来て、農に対する意識が高まってきたが、農家数の減少傾向は防ぎきれない。
顧客に対して、お店として、仕組みとしての交流を広げ、固定客促進をさらに図らないといけない。
営農集団、プロ農家へのアプローチ、農家以外の異業種参入への取組、ホビー農家への対応、ホームページの活用など、地域活動をフルに活かし、様々な情報を活用出来る体制が構築出来るか出来ないかが成長の分かれ目である。
有木に頼んだら、いつでも迅速に確実に対応してくれる店づくりを目指す。
有木機工ホームページ:http://www1.ocn.ne.jp/~ariki/
全農機商報:平成19年6月号掲載
|