合名会社柏木農機店

農家とともに歩むを信条に


石川県金沢市福久町ハ−60

創業90周年の老舗
 石川県の県庁所在地である金沢は、加賀百万石の城下町として栄え、日本三名園の一つである兼六園で知られている。
 当社は、JR北陸本線の森本駅の北、約800メートルの国道8号線(金沢バイパス)と県道204号線との交差点沿いにある。
 澄み切ったさわやかな日には、残雪の白山が見え、夕べには思わず合掌の心が沸き起こるような雄大な夕日を拝むことが出来る。
 取材は、俊一社長と山田部長に対応していただいた。
 大正6年、祖父である孝俊氏が、森本駅前に柏木商店として創業したのが始まりであり、今年で創業90周年を迎える老舗である。
孝俊氏の父、藤三氏は、能登の柳田村の村長として全生涯を農村開発に捧げ、「北陸殖産興業の大先覚者・農村開発の父」と称えられた。
創業当時から柏木式製縄機、藁打機、籾摺土臼機を製造販売し、全国優良農機共進会で一等賞金牌を受賞したこともある。
 昭和6年、?山岡発動機工作所(現・ヤンマー農機?)との取引を開始、21年、柏木農機具?として法人化、26年、合名会社柏木農機店に改組、42年、父である外二氏が二代社長に就任、47年、現在地に移転した。
 外二氏は、55年〜平成12年、石川県商協理事長、平成7〜11年に全農機商連副会長を務める等農業振興功労により、18年5月、双光旭日章を受章、本年4月26日には、園遊会に招待された。  俊一氏(58歳)は、46年、大学卒業後、入社し、平成2年、三代社長に就任した。現在、石川県商協の副理事長を務めている。
 本社のテリトリーとしては、金沢市北部、野々市町、津幡町、内灘町、かほく市、宝達志水町、鹿島営業所は、羽昨市、中能登町、七尾市と志賀町の一部である。米(コシヒカリ)が主体であるが、湿田地帯で水はけが悪く、水管理が難しい。  顧客数は6500戸で、耕地面積は、大は4〜5ヘクタール、小は5〜10アール、平均すると7〜10アールである。専業割合は5〜6%であるが、集団化が進む中、請負の専業農家が増えてきた。
ヤンマーをメインに
 本社の敷地面積は3300平方メートルで、うち大型整備施設600平方メートル、ショールーム160平方メートル、製品倉庫1300平方メメ‐トル、中古展示場400平方メートル、事務所140平方メートル、部品庫200平方メートル等となっている。中能登町にある鹿島営業所には、1900平方メートルの大型整備施設がある。このほか弥勒町に5000平方メートルの倉庫がある。
 社長を除く従業員は、男17人、女5人の計22人で、職種別には、事務5人、セールス6人、整備5人、セールスエンジニア6人である。
 農業機械整備技能士は、1級6人、2級1人である。
 取り扱い銘柄はヤンマーが8割で、このほか田植機、コンバインが三菱、ティラーがホンダ、三菱、防除機が丸山、共立、籾すり機が大島、乾燥機が金子、山本、大島、運搬車及び除雪機がホンダ、刈払機が共立、ゼノア、保冷庫がホシザキ、静岡等となっている。
農家の孫の手
 次に、最近年次(18年1〜12月)の決算をみると、前年並みで、うち整備部門割合は12%となっている。
 使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、処理業者が年5〜6回、買い取りに来る。
 次に、経営理念についてお聞きすると、「農家と共に歩む」を信条に、地域の農家に役立つことが、当社の発展に繋がると確信し、社員一同、農家に喜んで頂ける会社を目指して今日に至っている。
 社訓は、
  一.健康
  一.積極性
  一.責任感
  一.創意工夫
  一.協調性
である。
 当社は、かゆい所に手が届く農家の孫の手の様な存在でありたい。いかにしてお客様に満足して頂けるのか。CS(顧客満足度)の向上を図るため、柏木に行けば、ちょっとした事でも相談に乗ってもらえる店づくりを目指している。社員には、販売することにより会社が成り立っており、全社員がセールスマンであると常に自覚を促している。
 次に、経営の特色であるが、昭和57年、本社敷地内に中古機整備、展示場、農機外商品を取り扱う?フォルテ1柏木を設立したことがあげられる。当地の個人店では、洗浄のみをして中古機を再販することが多いが、当社では整備担当を置き、修理、整備、塗装をした上で再販する。中古展示場には常時数十台が展示され、農家の評価も高い。
地域で輪を拡げる
 次に、昨年を振り返っての感想をお伺いすると、品目横断的経営安定対策等新農政が展開される中で、農機の買い控え傾向が見られる。集落営農に参加する、参加しないと、棲み分けがはっきりしてきたが、離農する農家もある。参加しない農家の間では、中古農機の需要が高い。
 昨春は良かったものの、秋以降買い控えの影響があったが、除雪機が好調で落ちた分をカバーした。
 ここ数年、鹿島営業所の業績が伸びている。今年は、1月の社員総決起大会の決意表明の通り、好スタートを切り、現在のところ目標を維持している。
 最後に今後の予測についてお聞きすると、1〜2年、様子を見ないと方向が見えてこない。それまでは現状維持出来れば良い。フルクローラ型トラクターは当社のメイン商品であり、今後も期待できる。中古機や小物商品は店頭販売が多い。除雪機、ティラー、発電機等の価格をネットで調べるお客様や、肥料、資材関係、管理機、刈払機等はホームセンターと競合する中、技術力を高めアフターサービスを充実させる。
 当社の今日の礎を築いたセールスマンと若いセールスマンとの力の差が見られたこともあったが、一昨年当たりから若い力が芽を出し、セールスマン同士で切磋琢磨し年々良い結果が出てきており心強い。セールスマンは足しかない。限られた時間の中でいかに動くかが大切である。
 創業以来90年に渡り農家と共に歩んで来ており、今後も地域で輪を広げ難局を乗り切って行く。


全農機商報:平成19年5月号掲載