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天理市杉本町408-3
林商店
近鉄・新大宮駅で森本事務局長と合流し、車で30分、近鉄・前栽駅の南、300メートル程の林商店を訪問した。
天理市は、数多くの古墳等の文化財があり、「生きてきてよかった、誇れるまち天理づくり」を目指している。
林俊三代表者
代表者である林俊三氏は、近鉄バスで3年8カ月程、修理工として働いていたが、ダイキンの空調関係に勤めていた親戚から、ダイキンが農機具を始めると聞き、脱サラを決意、昭和38年4月に、東井戸堂町の実家において創業した。
農機具屋の経験はなくある意味マイナスからのスタートであった。
41年に現在地に移転、42年に郡山ヤンマーのサブ店となり、45・6年頃特約店に昇格した。この間、ダイキン工業は田植機を残し農機具の製造から撤退した。平成10年に現在の店舗に改築した。
林忠伸 氏
俊三氏は、5・6年前に体調を崩し療養に努めていたが、17年、奈良県商協副理事長、奈良県農機公取協支部長、ヤンマー農機大阪地区販売協同組合理事等全ての公職の辞表を郵送し、資金管理を除く業務を息子の忠伸氏(41歳、13年にヤンマー学院卒)に譲渡した。
テリトリーは、天理市、郡山市、奈良市等で、軟弱野菜(ほうれん草、レタスの輪作)、いちご、トマト、米(ヒノヒカリ、食味が良いので脚光を浴びている)などを栽培している。
顧客数は、1200戸で、耕地面積については、大は5〜6ヘクタール、小は3アール、平均すると30アールとなっている。第二種兼業農家が70%、ホビー農家が25%、専業農家が5%である。良い時に比べ粗利益が三分の一位まで減少し、かなり苦しい経営に追い込まれている専業農家もいる。
顧客の中に受託農家(3〜5ヘクタール)が8戸あり、購買力があるので大切にしている。
田植えは自分で行い、収穫作業を委託に出す傾向がある。
整備工場
敷地面積は、850平方メートル、うち中型整備施設265平方メートル、ショールーム100平方メートル、中古展示場90平方メートル、事務所33平方メートル、部品庫100平方メートルなどで、離れた場所に500平方メートルの倉庫がある。
社長を除く従業員は、男3人、女1人の計4人で、職種別には事務1人、セールス兼整備3人となっている。
農業機械整備技能士の資格者は1級2人、2級1人、このほか農業機械士1人となっている。
取り扱い銘柄はヤンマーが9割で、このほかティラーがマキタ沼津、防除機は丸山、共立、籾すり機が山本、乾燥機が山本、静岡を扱っている。
ショールーム
最近年次(20年1月〜12月)の決算をみると、農業機械が前年比110%、その他(長府製作所のボイラーと温水器、ダイキンの冷凍庫、保冷庫、エアコン)が100%、全体で110%となっている。農業機械売り上げに占める整備部門は5・8%、中古農機は6・8%である。
使用済み農業機械は、以前は処理業者が引き取りに来ていたが、現在でえは半分は持ち込んでいる。北京五輪前に比べ鉄の価格が下がっている。乾燥機の梱包材であるプラスチックごみは、市の焼却場に持ち込む。
経営理念についてお伺いすると、
一.誠実に、親切に
一.確実に、丁寧に
一.迅速に、優しく
を挙げられた。
お客様が店を選ぶ時代に、お客様の信頼をどれだけ得られるかが大切である。農業機械の使用年限は年々長くなっており、20年前のコンバインの整備を依頼されることがある。確実に整備しなければならない。確実性と技術力が常に求められる。
最近の高性能製品は、高齢化が進んだ農家には使いこなせない。出来るだけシンプルな方が良い。
当社では、創業以来46年間、一度でも取引いただいたお客様に対し前述の経営理念を貫いて来た。
昨年は、従来、更新を控えていた農家が、農業機械の値上がりを聞き駆け込み需要に繋がり、コンバインと田植機が売れた。特に高額のコンバインと中古機が好調であった。各メーカーとも在庫は縮小傾向にあり、お客様の注文に対し即納出来ないことがある。この場合は代替機を貸し出し、お客様を逃さないようにしている。
今年は、昨年の反動で動きは鈍い。六月にどれだけトラクターの注文が入るのか。野菜関連の管理機をいかに確実に販売し利益に繋げる。さらに、定期点検整備を率先して進める。
農政に対する意見をお聞きすると、国は第二種兼業農家の立場をどのように解釈しているのかわからない。生かすのか殺すのかはっきりしない。天理市では、集落営農が一カ所であり、集団化がほとんど進んでいない。
農家は、先祖伝来の田を他人に貸すのがいやという資産意識が大変強い。一方、どこかの時点で流動資産化したい意識を持っている。
最後に今後の予測についてお伺いすると、農機外部門を伸ばす。店の規模からすると、危険分散する必要がある。農機関係の農機外商品をどうするのか。今まで培ってきたノウハウを活かす。
資金管理を含め全ての業務を息子に譲渡する。
今まで捨てていた野菜(変形したり傷が付いていたりして規格外の物)も、スーパーの地産地消コーナーに出品し、月20〜30万円売り上げる農家もいる。
昨年の中国の毒餃子事件に始まった食の安全・安心志向により、業界に追い風が吹いている。食料自給率の向上策に期待するとともに、古来、農業を大切にしない国は繁栄しないものである。
農業機械販売業は、日本の食料の根幹を支える業界であり、必ず生きる道は見つかるであろう。
全農機商報:平成21年4月号掲載
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