有限会社土子機械店

時代に乗りネット販売強化

千葉県香取市森戸349-2

昭和57年に独立・創業
PROSHOP農機ランド
 平成18年に佐原市、小見川町、山田町、栗源町が合併し誕生した香取市は、千葉県北東部に位置し、利根川を挟んで茨城県と接している。
 本社は、JR佐原駅の南西2・4キロ程にあり、取材は、佐原駅と大戸駅の中間の香取市森戸にあるPROSHOP農機ランドにおいて行った。  初代社長の秀吉氏は、佐原市の山下農機に勤務していたが、昭和57年、千葉ヤンマーが誕生する時に独立し与倉902番地で創業した。

土子恵一社長
土子恵一社長
 初代社長の秀吉氏は、佐原市の山下農機に勤務していたが、昭和57年、千葉ヤンマーが誕生する時に独立し与倉902番地で創業した。
恵一氏(45歳)は、高校卒業後、1年半サラリーマンをした後、入社した。平成2年、法人化に際し社長に就任した。秀吉氏は、7年に55歳の若さで亡くなった。
 13年に香取市観音にライスセンターを設置、16年にPROSHOP農機ランドを開設した。
 長男、大輔氏(24歳)は、ヤンマー学院を病気で中退した後入社し、弟の勝義氏(40歳)とともに社業に勤しんでいる。
 テリトリーは香取市、成田市、神崎町及び茨城県稲敷市である。農業事情は水田が9割で、コシヒカリと早稲であきたこまち及びふさおとめ、畑作ではさつまいもや人参などである。
 顧客数は500戸で、耕地面積については大が30ヘクタール、小が20アール、平均すると1・5ヘクタールとなっている。専業割合は、水田では1%、畑作ではほとんどが専業である。

ヤンマーをメインに
整備工場整備工場
 本社の敷地面積は2,673平方メートルで、うち大型整備施設244平方メートル、製品倉庫429平方メートル、事務所及び部品庫165平方メートルとなっている。PROSHOP農機ランドは敷地1,493平方メートル、うち建物664平方メートル、観音ライスセンターは敷地1,560平方メートル、うち建物560平方メートルである。
 社長を除く従業員は、男2人、女5人の計7人で、職種別では事務5人、整備2人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級2人、2級1人となっている。  取り扱い銘柄は、ヤンマーが7割で、このほか防除機が丸山、ゼノア、乾燥機、籾すり機がサタケなどとなっている。
 最近年次(20年1月〜12月)の決算をみると、前年比140%で、全体の売り上げに占める整備部門割合は6%である。

農機レンタルを実施
新聞広告
 経営理念についてお伺いすると、「時代に乗る」を挙げられた。
 以前は、農家の固定客化がはっきりししており、農機販売店は他社の米びつに手を入れなかったが、3年前から離農が増え、最近では競争が激化している。
 このような厳しい状況の中で、企業経営の特徴であるが、第一には、地元を中心に広範囲に農業機械の現金買い取りのチラシを入れ、離農農家より買い取りしている。
 10年程前に始めたものであるが、当時は茨城県に1社あるだけであり、千葉県では当社が初めてである。タウン紙などの広告費は年間200万円程かかるが、「電話の臭いで買い取る価値の有無がわかる」という。
ヤフーオークションも活用しているが、鳥取砂丘までコンバインを引き取りに行ったが、錆が多く断念したこともある。
 第二には、ライスセンターが挙げられる。
 年間の稼働は1カ月であり、残りの期間は倉庫として使用している。1,300俵位扱っているが、顧客サービスの一環である。
 第三には、農業機械のレンタルが挙げられる。
 これも10年程前に、農家に少しでも貢献したいとの思いから始めたもので、試行錯誤のうえ、利益が出るようになった。レンタルのメリットとして、?まとまったお金がいらない、?使用後洗浄しなくてもよい、?1年に何回も使わない機械の保管場所がいらない、?修理代がかからない、?自分が使っている機械が故障した時すぐ使えるを謳っている。
 28馬力トラクターの1日当たりのレンタル料金は、標準ロータリ付き1万5千円、2メートル代掻きロータリー付き1万8千円、小型畦ローター付き3万円で、別途配達料と引取料がそれぞれ5千円掛かる。
 第四には、インターネット販売が挙げられる。
 前述のように16年にPROSHOP農機ランドを開設したが、18年にソフトを作成し本格的にインターネット販売を開始した。「農業機械、農機具のスーパーディスカウントマーケット」として、女子社員四人がシフトを組み、年中無休で対応している。なるべくクレームの付かない噴霧機、散粉機、刃物等を扱っている。
 当社では、PDS(キミヤ)を活用しているが、最初の取引の時は、必ず社長が出向き現物を確認する。こうする事により、中古を見る目が養われる。農家から現金で買い取った中古農業機械もPDSを通じさばいている。

中古農機はだぶつく恐れ
 昨年は、農業機械の値上げ前の駆け込み需要で、大幅に売り上げを伸ばし、特に乗用田植機が売れた。
 今年は1〜5月で平年並みである。農家は購買力があるものの、不景気に加え、高齢化や作物の低価格化で買い控え傾向が強い。
 農政に対しては、何をやっても手遅れである。このまま行けば米価は7千円になる。離農が増加しており、最悪、各部落にコンバインが2台となると、農機販売店は生き残っていけない。買い取り業を行っているので、人より肌に感じる。
 最後に、今後の予測であるが、来年から新たにコントラクター(農作業請負)事業として稲の刈り取り作業を行う予定である。
 インターネット販売に依存するつもりはないが、日夜努力すれば、現在売り上げに占める割合15%が40%まで伸びるのではないか。毎日、他社のサイトを覗き、値段と売れ筋商品をこまめにチェックする。業界全体のパイが縮小する中、脱落する農機販売店は脱落する。
 インターネット販売に対し理解のあるメーカーとないメーカーがあるが、時代の流れは無視できない。
利益を出すためには、1円でも安く仕入れることが大切である。
 このまま離農が増えれば、5〜10年後は、中古農業機械がだぶつくのではないか。それまでが勝負である。中古農業機械を見る目は誰にも負けない。

全農機商報:平成21年6月号掲載