有限会社 山根農機商会
顧客管理を徹底する

鳥取県西伯郡淀江町小波1038

昭和40年に創業
 淀江町は、県西部に位置し、秀峰大山の山麓から湧き出る数多くの水源により「水郷の郷」に選定されている。隣接する米子市との合併作業を進めており、平成17年3月31日に新「米子市」が誕生する予定である。  当社は、JR淀江駅の西方2キロの国道9号線沿いに位置し、南に500メートル程行くと美保湾である。
 社長のご尊父、利一氏は、米子市にあった大和商会に勤めていたが、昭和40年に独立し、淀江町福岡の自宅で創業した。43年には淀江町西原に店舗を構えた。(現在は倉庫及びテナント)。
 純二氏(57歳)は、40年に学校を卒業後、自動車メーカー及びディーラーに勤めた後、45年から店を手伝うようになった。  平成1年、利一氏が会長、純二氏が社長に就任、現在地に店舗を構えるとともに法人化した。
 テリトリーとしては、西伯郡の淀江町、中山町、名和町、大山町、岸本町、会見町、西伯町、日野郡の江府町、溝口町、日野町、米子市、境港市、島根県八束郡美保関町となっている。
 テリトリー内の農業事情は、大半が稲作(コシヒカリ)で、米子から境港にかけては白ネギ、人参、また、二十世紀梨については手間がかかることと若い後継者不足が問題となっている。
 顧客数は2900戸で、耕地面積は平均すると50〜60アール、ほとんどが兼業である。専業は受託農家で最大40ヘクタールである。


ヤンマーをメインに
 次に、当社の概要に触れてみよう。
 本社の敷地面積は、1250平方メートル、うち大型整備工場250平方メートル、ショールーム100平方メートル、中古展示場300平方メートル、事務所50平方メートル、部品庫40平方メートルなどとなっている。西原にある倉庫は280平方メートルである。
 社長を除く従業員は、男9人、女2人の計11人で、職種別では事務2人、セールス6人、整備3人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級2人、2級2人となっている。
 次に、車両関係では、ユニック車1台、1トン車1台、3・5トン車1台、軽トラック8台、ランドクルーザー1台を有している。
 取り扱い銘柄はヤンマーが8割で、このほか防除機が共立、乾燥機が山本、アタッチメント関係がゼノア、スター農機、小橋などとなっている。
 最近年次(15年1月〜12月)の決算についてみると、農業機械関係3億5千万円(前年比107%)、自家発電設備設置・メンテナンス5千万円(前年比110%)の計4億円(前年比108%)となっている。消防法で、1000平方メートル以上の建物には自家発電設備の設置が義務づけられているが、県内のメンテナンス関係(定期点検)はほとんど当社が押さえている。
スピード対応に徹する
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、県内や神戸の処理業者が引き取ってくれるので、特に困っていない。
 次に、経営理念についてお聞きすると、
 一、顧客満足
 一、店内みんななかよくせよ
 一、能率を良くせよ
 一、値段を守れ
をあげられた。
 企業である以上、利益を追求することは当然であるが、競争になっても、値段が合わない時は、お客様に断ることもある。
 事務所の壁には次の様な書が掲げられている。
 一、人に逢うときは春のように暖かく
 一、仕事をするときは夏のように情熱的に
 一、物事を考えるときは秋のように澄んだ心で
 一、自分を戒めるときは冬のように厳しい心で
 これは、偶々社長が米子文化ホールで目に留め書き取ったものを、淀江町在住の書家、森田尾山先生(日展入選10回)に書き写してもらったもので、作者不詳のものの「四季の心」として知られている。
 次に、企業経営の特色であるが、第一には、修理依頼から30分以内に現地入りするスピード対応に徹していることがあげられる。
 当地では元々JAが強いが、最近は縮小傾向となっており、農家の満足度が低くなってきている。お客様を獲得するために、サービス体制の一層の充実強化を図る。
 第二には、物事は速やかに解決する。お客様の クレーム、トラブルをスムーズに解決しないと次に続かない。
 第三には、お客様に満足していただき、この店で購入して良かったと喜んでいただく。このため、訪問回数を増やして、商品説明をしたり、お客様の要望を聞くように心掛けている。
これからがおもしろい
 次に、今年を振り返っての感想をお伺いすると、ヤンマーの組織変更に伴い生産が間に合わず、お客様と契約しても納品できないことがあった。
 機種別では、トラクター(特に200シリーズ)は好調、田植機は横這いであった。台風などにより倒伏した稲は、従来のコンバインでは馬力不足であることから、大型に更新する傾向がみられた。天候の関係で稲刈りの期間が長かったことから、部品代と技術料が上がった。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、食を担う農業の特性からして、農機が極端に減少することはない。1回お客様を逃すと10年は購入していただく機会はない。生き残るためには、他社を食わねばならず、顧客管理を徹底して行う。
 当地では、以前は販売店が多かったが、機械の自動化に対応できる技術力のない店は淘汰されていった。競争が激しい中で、きちんとお客様を抱えて力をつけていないと淘汰される。頻繁に担当者が変わる販売会社はいやというお客様もいる。技術力でも販売会社に負けない。
 逆に言えばこれからがおもしろい。する事をきちんとしないと生き残れない。訪問件数を増やして、お客様との繋がりを持っていれば大丈夫であると締めくくられた。


全農機商報:平成16年12月号掲載