有限会社武井農機具店
魅力ある商品・社員・店

埼玉県北葛飾郡杉戸町清地3−17−3

昭和23年に創業
 日本橋から40キロ圏内にある杉戸町は、古利根川と江戸川に挟まれ、水と緑の豊かな自然に恵まれた田園の町である。
 当社は、東武伊勢崎線の東武動物公園駅から南東に1・2キロ程の国道4号線沿いにある。
 武井敏夫会長のご尊父である喜一氏は、戦前、親戚である武井清氏が社長をしていた大宮市(現・さいたま市)の?武井農機商店に勤めていたが、昭和23年、現在地より200メートル程離れた実家において農機具屋を開業したのが始まりである。当時は、鋤、砕土機、中古エンジン、脱穀機などを扱っていた。
 終戦直後には、清氏の伯父である武井泰次郎氏が設立した関東農機の籾すり機、脱穀機、精麦機の組み立て塗装、販売をしていた。28年に現在地に移転、32年に法人化した。
 敏夫会長(67歳)は、33年、学校卒業後、入社した。45年に喜一氏が体調を崩したことから、二代社長に就任した。
 野田、ダイキン、鈴江、ヰセキ(コンバイン)、芝浦(トラクター)などを扱っていたが、芝浦とヤンマーが業務提携したことからヤンマーを扱うようになった。
 敏晴社長(39歳)は、平成4年、大学卒業後、芝浦の松本工場で半年研修を受けた後、入社し、本年2月に三代社長に就任した。
 テリトリーは、杉戸町、宮代町を中心とした30キロ圏内で、米(コシヒカリ、日本晴)が80%、果樹(梨、巨峰)10%、野菜(なす、きゅうり、イチゴ)10%である。専業農家割合は2〜3%である。
 顧客数は800戸で、耕地面積については、大は2・5ヘクタール、小は30アール、平均すると60〜70アールである。


ヤンマーをメインに
  本社の敷地面積は1650平方メートル、うち大型整備施設120平方メートル、事務所100平方メートル、製品倉庫240平方メートルなどで、少し離れた所に、製品倉庫360平方メートル、ショールーム300平方メートル、中古展示場500平方メートル、中古農機置き場1200平方メートルなどがある。
 社長を除く従業員は、男7人、女3人、職種別では、事務3人、セールスエンジニア4人、整備3人である。
 農業機械整備技能士の資格者は、1級5人である。
 取り扱い銘柄はヤンマーが5割で、このほか田植機とコンバインがヰセキ、防除機が丸山と共立、乾燥機が山本とサタケ、籾すり機がサタケなどとなっている。
 次に、最近年次(17年2月〜18年1月期)の決算についてみると、農業機械は前年比89%、建設機械及び産業機械(白アリ防除機)は前年比107%、総売上高は5億円、前年比98%である。農業機械に占める整備売上割合は5%である。
 次に、使用済み農業機械の処理についてお伺いすると、近隣の処理業者が無料で引き取ってくれる。タイヤやクローラ単体の場合は有料である。このほか中古自動車のオークションに出品すると、外国人が購入することもある。

売り込みはしない
 経営理念についてお聞きすると、会長は、当社には次の三つの柱があるという。

 一.農業機械の販売修理
 二.建設機械の販売修理
 三、産業機械(白アリ防除機)の製作

を年間を通して行う。
 また、『常に動(活気)』をモットーにしている。展示を替えなかったり、衣替えをしていない店が多いが、それでは活気がない。店に動きがあることが大切である。
 次に、企業経営の特色をお伺いすると、会長は、次の三つの精神をあげられた。

 一.魅力ある商品の販売(一流の商品)
 二.魅力ある社員づくり(優秀な技術力)
 三.魅力ある店づくり(当社に来れば何でも間に合う)

 次に、売り込み、訪問販売はせず、アフターに力を入れている。
 兼業農家がほとんどの顧客は訪問販売を嫌がる。農業機械には更新時期があるので、他店と競合しても無理に売ることはしない。新規の顧客は、中古農業機械の購入から始まることが多く、いずれ新品購入に繋がっていく。アフターが必ず伴うので、顧客の気持ちを汲み取ることが大切であり、顧客の口コミが大きいと話された。
 社長からは、年に1度、夏に常設展示場を設け、10日間展示会を開催することがあげられた。
 当社は市街化区域内にあり、駐車場がないため、特に最近は、駐車禁止が厳しくなってきている。集客数は多くはないものの成約率は高い。


横の繋がりが大切
 次に、今年を振り返っての感想をお伺いすると、会長は、米価の低迷から農業の魅力が無くなってきたことや、農家の高齢化、後継者不足などから、廃農家が増えてきた。受託農家の大型化が進む一方、ホビー農家が増えるなど二極化が進んでいる。
 農家は、小さな店から購入しない傾向になってきた。当社では、新規の顧客が増えている。
 機種別では、トラクターは微減ないし横這い、田植機とコンバインは前年並みである。
 社長は、年々高価な機械の販売は難しくなってきている。特に、コンバインについては、農家の状況を把握していないと買い替え前に全部委託することがある。続けてもらうためにも、中古農業機械を販売しなければならないケースがある。
 最後に、今後の予測についてお聞きすると、会長は、コンバイン、乾燥機、籾すり機については、個人購入から、生産組合などによる共同購入に一部なっていく。
 集落営農には参加しない農家が多い。
 米価が低迷していることから、飼料作物や健康食品関係作物(ウコン、ヤーコンいも)を作る農家が増えてきた。野菜は価格の変動があるので、手を出さない。
 増加傾向にあるホビー農家からは、5〜10万円位のロータリー管理機が、高齢農家からは、程度の良い中古農業機械の要望がある。
社長は、顧客の希望する中古農業機械を当社だけで用意するのは無理がある。仲間内の販売店など横の繋がりは大切であり、今以上に広げなければならない。
 農家の息子さんの中には、当たりはずれがあるにせよ、インターネットを利用し機械を購入する人もいる。今後、そのような機械への対処方法や、インターネットをうまく利用できる方法を考えなければならない。

全農機商報:平成18年10月号掲載